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第4話 妖力

 4年の月日が経とうとしていた。

 その頃、少年は成長して大人びた雰囲気を持つようになっていた。



 ただ、身長はあまり伸びず、童顔のままで、常に実年齢よりも若く見られがちであった。しかし、思春期を迎えると、心も体にも変化は起きていた。変わらないことがあるとしたら、それはダンジョンを作るという不思議な作業であるだろうか。



  世界中に多くのダンジョンが作られていた。

 高校生に入学する頃、突然、ダンジョンが世界中で発見され始めていた。 



 最初は1年前のことだった。



 まだ、誰にも知られていなかったダンジョンが発見された。台風が原因で、隠されていたダンジョンの入口が明らかになったせいで、人々がその内部へと足を踏み入れたのである。

 



 世界中でダンジョンが発見されると、それはすぐにニュースとなり、世界的な関心事へと発展していくことになる。ダンジョンの神秘性は七不思議にも例えられ、多くの人々がその秘密を解き明かそうと試みていた。テレビ番組では、ダンジョンの調査が行われたと報じられていた。しかし、ダンジョンが作られた真の目的は依然として謎に包まれていた。


 ただ、人々はダンジョンに魅了され、様々な噂が広まっていた。ダンジョンに財宝が隠されているという話や、ある国ではダンジョンの調査が国家プロジェクトとして進められているというものもあるらしい。



 そして、ある日のことである。

 ダンジョンの中で奇妙な生き物が発見されることになった。



 カチンコチン

 カチンコチン



 カチンコチン

 カチンコチン




 ダンジョンの奥から音が響いてくる。

 その音に導かれるように進むと、奇妙な生き物がダンジョンを作っている様子があったらしい。 



 カチンコチン

 カチンコチン



 SNSで話題になる。

 その映像には金槌坊(かなづちぼう)が映っていた。


 

 そのニュースを見ると、少年は不安な気持ちになってきた。

 

 自分が作り出したダンジョンのことが、大きな問題になっていると感じていた。ただ、ダンジョン作りを中断したくなかった。どうしたらいいかと悩みながら、夏休みの間、少年はベッドに横たわる日々を送っていた。 




 ◇  ◇  ◇




 夏休み、少年は自分の右腕をじっと見つめていた。最近、右腕の動きが悪いと感じており、それが呪いのせいではないか、と思っていた。


 右腕に違和感を覚えると、黒い石を壊したこと、その時、少年の頭の中から聞こえたあやかしの声を思い出していた。



 あれは一体何だったのだろうか。



 少年は胸のあたりに触れてみる。ずっと、違和感があった。それが呪いによるものかどうかはわからない。ただ、おかしな感覚を取り除くことはできなさそうになかった。



 ずっと、少年は呪いを解決させるため、あやかしの片方の魂を探していた。

 しかし、手がかりは見つからない。




 既に、数年が経過していた。



 段々、右半身の呪いを解くことをほとんど諦めていた。

 あやかしの魂や、呪いの話など、誰も信じてはくれないせいもある。



 少年は何もできなくなっていた。



 最近では、あやかしの言葉を思い出そうとしても、夢のようにぼんやりとしており、はっきりとした記憶がわからなくなっていた。だからこそ、何もする気にはなれなく、夏休みであるにもかかわらず、少年は父親の部屋で漫画を読んで過ごしていた。


 夏休みも終わりに近づいていたが、毎日、少年はベッドの上でただ横になっていた。

 何をするにも意欲が湧かなくなっていた。


 

 父親は解体業で忙しく、何日も家に帰ってきていなかった。母親もスナックで働いており、たまにしか家で声をかけてこなかった。



 その間、世界中で新たに現れるダンジョンのニュースが流れていた。 

 


 毎日、金槌坊たちはダンジョンを作っている。

 


 1つだけ、少年には気になることがあった。

 

 

 段々、体の中でおかしな力が体からあふれてきていた。


 最近、少年には不思議な現象が起きていた。以前、ぼんやりとしか見えなかったものが、今でははっきりとした姿で目に映るようになっていた。


 


 それは、おそらくあやかしの姿に違いなかった。



 彼の体内で何かが起こっていた。少年の体からは奇妙な力が溢れ出ていた。それは、間違いなく妖力だった。少年は湧き出てくる妖力を制御することはまだできないでいた。自分の体に落ち着くよう言い聞かせた。しかし、心は落ち着かず、少年の心は不安定になっていた。




  ◇  ◇  ◇




 夏休みが終わったのに、少年は学校に行かなかった。

 3日間サボっていた。

 

 

 妖力のことがある。気持ちが塞いでいて、毎日、少年は夜更かしを続けていました。朝になると、カーテンの隙間から差し込む太陽の光が部屋を照らすのに、彼の気分は沈んでいた。きっと、何か行動を起こさなければならない、そう思いつつ、学校へ行こうとは思えなくなっていた。


 朝になると、彼は眠りにつこうとした。



 その時、布団が叩かれた。



 バンバン!!

 バンバン!!



 顔を上げる。

 母親の怖い顔が見えていた。

 



 バンバン!!

 バンバン!!




 ぐいっ、布団を剥がされた。




「あんた、3日も学校をさぼっているのよ!! こっちは学費を払っているんだからね!!」




 寒さのせいで、少年は体を丸めていた。



 四月も1週間が過ぎ、高校の授業が始まっていた。

 た四、学校に行くのは面倒でしかない。

 


「ああ、まだ眠いんだよ……」


 と、少年は体をうずめていた。


「みんな眠いのよ!」


 と、母親の声が響く。


「明日からじゃダメ?」


「ダメ。さあ、起きなさい!!」



 あー、サボりたいな。

 ただ、母親は許してくれそうにない。


「ああ…。タケルちゃんは優しい子だったのに。どうしてこんな……。きっと、私がいけないのね。こんな時、お父さんがいたらよかったのね……」



 母親の声が聞こえる。泣いたふり。


 ただ、父親は出張から帰ってきていなかった。

 思ったよりも、時間がかかっていることは気になっていたけど、たまに電話がかかっていて来ているし、特に気にすることはないと思っていた。



 ずっと、母親は泣いているフリをしていた。

 らちが明かない。

 諦めるように、スクイはベッドから飛び起きていた。




「わ…、わかったよ。これから、学校行ってくるよ…」



 少年はベッドから起き上がることにした。


 制服に着替えると、小さなアパートの一室から飛び出すことにした。

 アパートの古びた階段を下りていく。



「気を付けてね~~~」




 窓から母親が手を振っていた。

 母親の声がする。






 ため息をつく。

 仕方ない。

 そう思い、スクイ少年は手を振ることにした。





 学校に向かいながら、右半身に呪いがかけられていることを考えていた。


 きっと、誰も信じてもらえない。

 いつか、右半身が動かなくなるかもしれない。しかし、誰が信じてくれるのだろうか。



 朝はだるい。


 だるさを感じながら歩いていました。そのとき、少年は曲がり角で、走ってきた人が来て、少年は思い切り体当たりされていた。




 ドッカーーーーーーーーーン!!!!!




 大きな音が聞こえてくる。

 吹き飛ばされると、スクイ少年はその場に倒れ込んでしまっていた。


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