第39話 ダンジョンに入る
ダンジョンの前にはたくさんの車が並んでいた。きっと、スライムの動画のせいだ。お祭り騒ぎのようになっており、バーベキューをしている人たちの姿がある。テーマパークなら入場制限が行われそうなほどの混雑をしていた。
少年は目を丸くしていた。
ダンジョンがこんなことになっていると思っていなかった。少年は驚きを隠せない。2週間ほど、ダンジョンに行かないでいたら、こんなことになるなんて思っていなかった。
「思ったよりも混んでいるみたいだね…」
と、翔平が言った。
「キャプテン、また、今度にした方が良いんじゃないですかね?」
と、1人の生徒の声がした。
「いや、行ってみよう!」
と、翔平が返事をする。
「別に、あなたは帰ってもいいわよ。私はダンジョンに向かうことにするから!」
と、生徒会長の声がした。
ずっと、生徒会長は何か考えごとをしていた。昨日までとは違う。どうしたのかと、少年が生徒会長に声を掛けようとした。しかし、生徒会長から避けられていた。生徒会長らしくなかった。その時、生徒の大きな声が聞こえてきた。
「いてっ!!」
突然、生徒が倒れていた。
気が強そうな男が生徒を押し倒していた。
「じゃまだ、どけ!!」
男が生徒を睨みつけていた。
生徒は驚いている。
「すいません……」
「気を付けろよ、ガキどもが。さあ、行こうぜ!!」
不良グループの男たちがダンジョンに出発しようとしていた。
仲間からの声援が聞こえてくる。
「何だよ~。大人たちまでダンジョン配信をしているみたいじゃん。ホント、迷惑なんだよな~」
寛太の声がした。
「まあ、いいじゃないか。じゃあ、みんな、集まってくれ!!」
翔平が言う。
翔平が仲間を集めると、生徒たちが円陣を組んでいた。
大きな声が聞こえてきた。
「さあ、気合を入れるぞ!!」
「「「「「「「よっしゃ、行こうぜ!!!!!」」」」」」」
その後、翔平たちはダンジョンに向かう準備をしていた。
数人の生徒がカメラの準備をしている。
「じゃあ、ダンジョンでは気を付けてね。応援してる。私は外で配信を見ているからね!」
と、野球部のマネージャーのマナミの声がした。
「マナミちゃんも一緒に来ればいいのに~」
と、生徒の声がした。
「ごめんね~。私、暗いところが苦手なの…」
と、マナミが笑っていた。
「ちぇっ、残念。じゃあ、行ってくるね~」
マナミが手を振っている。
そうして、彼らはダンジョンの中を入ることにした。
ライトの光が暗闇を照らしていく。
「もっと、先に行こうぜ……」
生徒の声がした。
既に、1時間ほどが経とうとしていた。まだ、スライムすら見つからない。他のグループが倒してしまったのか。生徒たちは退屈そうな顔をしていた。数人の生徒が携帯を眺めたり、新作のゲームの話をしてる声が聞こえてきていた。
その時、翔平の声がした。
「待って、誰かが来る!!」
ダンジョンを進んでいると、突然、翔平が立ち止まっていた。
1人の女性がやってくる。
そこにいたのは野球部のマネージャーのマナミであった。
「なんだ、マネージャーじゃないか…驚かせるなよ……」
と、寛太の声がした。
ただ、マナミはうつろな顔をしていた。
彼女の声が聞こえた。
「九尾様があなたをお持ちしています。どうか私と一緒に来てください」
「何を言っているんだよ…」
と、寛太が言う。
マナミは生徒会長の姿を見つめていた。
次第に、蛇の姿に変わっていく。
空気が冷たくなる。
生徒たちは意識を失い、呆然と立ち尽くしていた。
大蛇がこちらを睨みつけていた。
「おい、こっちに何かいるぞ!!」
その時、男の声が聞こえてきた。
ダンジョンを探検していた人たちが集まってきていた。
「やべーーーじゃん、これはバズるぞ!!!」
男の声が聞こえてきた。
彼らは大蛇の動画を配信しているようであった。
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