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第25話 山登り

「さあ、頑張って頂上を目指しましょ~~~~~!!」



 ミコト生徒会長の大きな声が響いていた。

 彼女の横には副会長の金剛と書記の猫又さんが立っている。

 

 筋肉質な金剛さんとスラリとした猫又さんは、登山に向かう人々の好奇の視線を集めていた。

 その時、不満げな猫又さんが少年に向かって何か文句を言っていた。


「あー、何で、私までこんな早く起きなきゃならないのよ…。あんたのせいで、山登りをしなくちゃならなくなったのよ…」

 

 猫又さんの声がした。


「え、ぼくのせいですか?」


 少年が戸惑っていた。

 すると、猫又さんが呆れたという顔をしていた。



「あたりまえじゃない!」



 猫又さんは眠そうにあくびをしていた。


 そんな話をしていると、生徒会長は山を登り始めていた。

 生徒会長に付いていくことにする。



 歩いていると、副生徒会長がやってきていた。

 大きな顔が少年を見つめていた。



「スクイ君、君は生徒会長を助けてくれたみたいだな。よくやった!!」



 剛力副会長は大きな手が少年の頭に乗せられた。

 くしゃくしゃと少年の頭を撫でている。



「ちょっ、ちょっと、やめてください…」

 

 少年は困った顔をしていた。

 すると、副会長の大きな笑い声が聞こえてきた。


 

「すまん、すまん。ただな、俺はまだお前のことを認めていない。生徒会長だってお前の中にある魂を気にしているだけだと思う。今日は、お前の実力というものを見せてもらおうじゃないか!!」



 頭にある副会長の手を振りほどき、少年は自分の髪の毛を整えていた。




「そう言えば、剛力さんもあやかしの姿が見えるんですか?」


 

 少年が尋ねていた。

 それを聞いて、副会長が振り返っていた。


「それはそうだ。見えるに決まってるじゃないか!」


 副会長が返事をした。


 なるほど、予想したとおりである。


 どうやら生徒会の人たちは妖力を持っているらしい。しかし、そんな人間が生徒会を牛耳ってもいいのだろうか、と少年は思っていた。


 その時、生徒会長の声が聞こえてきた。


「君たち、何を話しているんだ。そんなところで話をしていると置いていくことになるぞ。さあ、早く来なさい!」


 すると、剛力副会長が走っていた。

 生徒会長の前まで来ると、剛力副会長が跪いていた。


「待ってください。生徒会長~。生徒会長は戦いでお怪我をしたとお聞きしました。今日は、私の背に乗っていただけないでしょうか?」


「気にしなくていい。もう怪我は完治しているからね!」


「そんなことを言わず、どうか私の背中に乗ってください。何もできなかった私の懺悔でもあるのです!」

 


 副会長が生徒会長に懇願していた。

 それがしつこかったせいか、ミコト生徒会長は山道を駆け上がっていた。



「生徒会長、待ってください~!!」

 

 剛力副会長の声がした。

 

 ただ、副会長は生徒会長を追いかけることはできなかった。

 生徒会長は登山客を追い抜いていく。



 生徒会長の姿が見えなくなると。取り残された3人は山を登ることにした。

 ただ、山登りをしていると、木々の匂いも、流れている水も、少年の気持ちを落ち着かせていた。


 少年は懐かしい気持ちがしていた。


 きっと、あやかしの魂は山の中を駆け巡っていたのだろう。 

 少年の登るスピードが速くなっていく。

 

 

「待って、そんなに急がないでよ~~~~~」

 


 猫又さんの声が聞こえてきた。


 どうやら猫又さんは運動が苦手らしい。

 彼女は疲れた様子をしていた。



「気にしないほうがいいですよ。あいつは先に行かせましょう。俺たちはゆっくり行けばいいんですよ」


 剛力副会長がそう言っていた。

 


 ただ、少年は走る生徒会長を追いかけ始めていた。

 

 走っていると、風景は紙芝居がめくられるように次々と変わっていった。

 昔、あやかしの魂が山中を自由に駆け巡っていたような記憶が蘇ってくるのを感じた。

 猿のように木々の間を飛び回るその記憶が、少年の胸の中にある空洞を満たしていくような感覚に包まれた。



 しばらく走った後、少年はついに生徒会長に追いついた。

 生徒会長は驚いた声を上げた。



「スクイ君に追いつかれるとは思っていなかったよ…」


「結構、疲れました。あの、生徒会長は山登りに慣れているんですか?」


「小さい頃、あやかしの魂に頼まれてよく山に登っていたんだ」


「ああ、なるほど……」


「さあ、頂上まで行こうか!!」



 ミコト生徒会長が山道を走っていた。

 その後を少年が追いかける。



 すぐに頂上の近くまで辿り着いていた。




  ◇  ◇  ◇




 ぜぇぜぇと息を吐きながら、副会長と猫又さんが坂道を上ってきた。




「もう疲れたー。もう登りたくない~」


 そう言い、猫又さんはベンチで休んでいた。

 生徒会長が笑っていた。


 その時、少年は木に視線を向けていた。

 何かが来たのを感じる。


「どうやら来たみたいだね……」


 生徒会長の声が聞こえてきた。

 少年が視線を向けると、大きな木の上には3人の男たちが立っていた。



 少年は強い妖気を感じていた。


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