表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/106

第20話 猫耳カチューシャ

 地下室の天井に、たくさんの小さな蜘蛛が張り付いていた。

 じっと、こちらを見つめていた。




 その時、土蜘蛛になった大男の声が聞こえた。

 悲しそうな声であった。

 


「オレはな…。こんな世界にいたくないんだよ…。そうさ、これは悪夢なのさ。誰かが仕組んだことだ。しかし、そんなことにどうでもいいんだ。ただ、オレは元の世界に戻りたいんだ。そのために陰陽師の力を奪わせてもらうぞ……」



 

 その声が聞こえ、土蜘蛛が合図をすると、天井から小さな蜘蛛たちが降りてきてこちらに近づいてきていた。段々と、小さな蜘蛛が部屋を覆い尽くしていった。




「どうやら、私たちも仲間を読んだ方が良いみたいね…」



 猫又さんの声がした。





 その時、地下室のドアが開いた。


 突然、20人ほどの若い男たちが部屋に入ってきた。彼らは一様に猫耳のカチューシャを付けている。

 その不思議な光景に、少年は硬直した。彼の視線は、入ってきた若い男たちに釘付けになった。一体、彼らは何者なのだろうか。

 


「さあ、そこにいる蜘蛛たちを殺しなさい!!」

 

 猫又さんの声が聞こえてた。



「うぉー、猫又さんのために頑張るぞ!!」



 若者たちは、小さな蜘蛛と激しく戦っていた。どうやら彼らは猫又さんに操られているようであった。猫又さんは彼らに命令を下していた。


 彼らは猫又さんの従属となり、猫耳カチューシャを付けさせられていた。これは、駅前で猫又さんに声をかけた男性たちなのかもしれない。従属の証として、猫耳カチューシャを縛り付けられていた。その横で、生徒会長が3匹の白い犬を召喚していた。その白犬たちが小さな雲の相手をしていた。




「何だ、あいつらは…。まあ、良いさ。最初に、お前から殺すことにしようか…」



 土蜘蛛の大男の声がした。


 少年の前に、巨大な土蜘蛛が立ちはだかっていた。

 その体長は5メートルにも及ぶ。



 土蜘蛛の足は槍のように長く、先端にはフックを思わせる鋭い爪が付いていた。その口は、あらゆるものをかみ砕くかのように迫ってきた。


 普通の人間ならば、その恐ろしい姿を一目見ただけで気を失ってしまうだろう。

 しかし、少年は違っていた。


 彼は恐怖することなく、土蜘蛛を見つめていた。 

 

 


「お前、何故、恐れない。さらにお前からは妖力を感じるのだが…」

 

 土蜘蛛の声がした。



「あの、土蜘蛛さん、ここだけの話ですけど、ぼくの仲間になってくれませんか?」


「仲間だと…」


「ちょっと声が大きいですよ。実は、ぼくはダンジョンを作っているんです。きっと、土蜘蛛さんが目覚めたのもぼくが影響しているのかもしれません。だから、ぼくと一緒にその謎を解き明かそうとは思いませんか?」




 その時、土蜘蛛は少年の体をじっくりと見つめていた。


 

「俺には、お前の言っていることがよくわからない…。ただ、こんな場所にはいたくないのだ。だから、あの陰陽師の魂を渡せ。そうすえればお前のことは許してやろう…」


「うーん、やっぱりそういう感じなんですかね…。ちょっとぼくの秘密を話してもいいですか?」



 そう言い、少年は土蜘蛛のほうに歩いていこうとしていた。

 しかし、少年は動けなかった。


 少年は自分の足に視線を向けてみた。

 糸が巻き付いていた。

 どうやら土蜘蛛の糸にとらわれてしまったらしい。




「おや、やっと気が付いたみたいだな…。それはオレの糸さ。粘着力があり、どんなに力を入れても切ることはできない。お前は捕まったのさ。さあ、お前の魂を貰うことにしようか。そうすればお前の力を得ることができるかもしれないからな」



 土蜘蛛が糸を引っ張っている。

 足が動かない、と少年は土蜘蛛を睨みつけていた。


 土蜘蛛の糸は部屋を覆い尽くしていた。


【応援よろしくお願いします!】



 「面白かった!」



 「続きが気になる、読みたい!」



 と思ったら



 下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。



 面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!



 ブックマークもいただけると本当にうれしいです。



 何卒よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ