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第16話 失踪事件

 少年は生徒会に参加することになった。


 生徒会室のドアを開けると、既に全員が集まっていて「さあ、会議を始めよう」という生徒会長の声が聞こえてきた。



 生徒会室にいる副会長と書記の2人は真剣な顔をしている。



 急いで、少年は椅子に座った。

 すると、生徒会長が会議の議題を語りだしていた。

  


「では、生徒会の議題の話をしようか。S市で起きている若者の失踪事件についてだ。その事件についての調査の報告を聞かせてほしい!」

 


 それを聞いて、少年は驚いた顔をしていた。


「え、待ってください。生徒会の打合せですよね。失踪事件って何ですか!?」

 と、スクイ少年が言った。



 しかし、副会長と書記の2人はまったく驚いてはいなかった。

 生徒会長がマジマジと少年を見つめていた。


「そうか、スクイ君、君は生徒会に参加するのが今日からだったね。以前、少しだけ話をしたことがあったけど、私の家系は陰陽師の力を宿している。そのことは覚えているかな?」


「はい、覚えています……」


「それは良かった。私には陰陽師の力があるため、あやかしが関係している事件の調査を依頼されることがある。今回の件もそう。まあ、今回の件は普通ではない。あやかしがかかわっているなら大きな事件になりそうな予感がしている。では、猫又さん、君の調査の結果を報告してくれませんか?」


「はいはい~、じゃあ、事件について説明をさせていただきますね~」



 それを聞いて、猫又さんがホワイトボードの前に立っていた。

 資料をホワイトボードに貼っていく。 



 猫又さんは事件についての説明をしていた。


 話題の失踪事件についてである。

 それはS市において若者が突然消えてしまうという事件。既に10人以上の若者が消えているのに、誰も目撃者はいなくて、手掛かりすら見つかっていないということ。その事件にあやかしがかかわっているのではないか、という話をしていた。



「犯人が、あやかしということですか?」


 と、少年が尋ねる。


「まあ、そうみたいなんだよね~」


 と、猫又さんが返事をする。

 



 ホワイトボードに失踪者の名前が書いてある。

 既に、10人以上の若者がS市にて失踪しているということらしい。




「でも、あやかしがそんな事件を起こすんでしょうか? そんな迷惑をかけるようなことをするわけではないような気がしますけど…」



 うっかり、少年はあやかしを擁護ようごするようなことを言っていた。

 とっさに、生徒会長に視線を向けていた。

 あやかし側であると思われたらと思っていたが、どうやらそういうことにはならなかったらしい。


 生徒会長は嬉しそうな顔をしていた。



「スクイ君、君の言っていることは正しい。仲間のあやかしがいるからね。大半のあやかしは悪さなんてしない。だからこそ、私はあやかしを救いたいと思っている。そのために君の力を借りたいんだよ。まあ、こんな話を他の陰陽師が聞いたら笑われてしまうかもしれないけどね…」


 

 少年は生徒会長の顔を見つめていた。


 いったい、陰陽師とは何なのだろうか。テレビで名前ぐらいは聞いたことがある。しかし、詳しいことはさっぱりわからない。ただ一つ、生徒会長が人間らしくない理由がわかった気がしていた。それは彼女にもあやかしの魂があるせいだろう。人間とは別の気持ちがあるのかもしれない。そう思うと、少年は生徒会長から目を離すことができなくなっていた。

 

 

 その時、生徒会長の声が聞こえてきた。



「では、週末、S市で現地調査をすることにしよう!!」


 生徒会長が言う。


「はい、わかりました~」


 と、猫又さんがへんじをしていた。



 週末、生徒会でS市の調査をすることになったらしい。少年も一緒に。少年は不安な気持ちになる。本当にあやかしが事件にかかわっているのだろうか。どうしても信じることができなかった。





  ◇  ◇  ◇

 




 週末、少年と生徒会長は電車に乗っていた。



 毎日、テレビニュースで放映されている失踪事件。それにあやかしがかかわっているのではないか、調査のため、彼らはS市に向かっていた。駅を降りると、たくさんの人が集まっていて、町にはたくさんの妖力があふれていた。少年は深い海にでも落ちてくような錯覚に襲われていた。



「スクイ君、この町には何かがいるみたいだ。気を付けていきましょう……」



 生徒会長の声が聞こえてきた。


「はい、わかりました……」


 2人は待ち合わせ場所に向かうことにする。

 雑踏の中を歩いていると、何処どこから視線を感じるようになっていた。


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