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第15話 金槌坊 緊急会議②

 次の日、少年は熱を出していた。



 昨日の生徒会長と抱き合ったことにより、知恵熱でも出たのかもしれない。どうも頭がぼんやしてしまい、ベッドから起き上がることができなかった。それでも、頭がぼんやりしている中、金槌坊(かなづちぼう)の緊急会議に参加をしていた。

 


 金槌坊(かなづちぼう)の幹部たちが集まっていた。

 彼らは陰陽師のことを話している。




金槌坊(かなづちぼう)A「あるじ様、絶対、陰陽師とはかかわってはいけませんよ。あいつらは憎むべき相手なんですから!!」


金槌坊(かなづちぼう)E「陰陽師なんて全て殺してしまえばいいんだよ……」


金槌坊(かなづちぼう)C「簡単にはいかないですよ。陰陽師はおかしな呪術を使いますから。私たちの弱点をついてくるはずです。最初に、相手の情報を得ることから始めましょう……」



 しばらくその話をしてから、次に、ダンジョンにたくさんの蜘蛛が現れたことについて議題に挙げられていた。

 ダンジョンで何かが起きているらしい。

 ダンジョンの中で異質なあやかしの姿を見たという報告が続いていた。



 さらに、世界で妖力が増大しているらしい。



 そのことを金槌坊(かなづちぼう)は危惧しているようであった。

 ただ、少年は風邪でうつらうつらとしていた。


 たまに、頭に生徒会長の顔が浮かんできていた。

 彼は顔を左右に振っていた。


 きっと、あやかしの魂のせいなのだろう。どうしても生徒会長のことが気になってしまうのである。

 そんな少年の姿を見ると、金槌坊(かなづちぼう)たちは心配していた。


 金槌坊(かなづちぼう)Aの声がした。 



金槌坊(かなづちぼう)A「あるじ様、お体は大丈夫ですか?」


少年「ちょっと熱があるみたい……」


金槌坊(かなづちぼう)A「では、次の議題で終わりにしましょう。次はダンジョンのモンスターの制作の話でしたね?」


金槌坊(かなづちぼう)B「はい、私から説明をさせてもらいます。モンスターについて調査を行い、スライムを作ってみました。見てください。どうですか。この姿、まさにスライムと言えるでしょう!!」



 そう言うと、長方形の透明なかたまりがこちらに歩いてくる。


 それはスライムに似ていた。

 ただ、どこかで見たことがあるなと思っていた。



金槌坊(かなづちぼう)C「待て待て、それ、ところてん、なんじゃないか!?」


金槌坊(かなづちぼう)B「くくくっ、よくわかったな。そう、これはところてんだよ。妖力で動かしているんだよ!!」



 そう言った途端、ところてんで作られたスライムがボロボロと崩れてしまった。妖力も消えてしまい、そこにはただのところてんがあるだけだった。



金槌坊(かなづちぼう)B「ああ、オレの作ったスライムが~~!!」


 金槌坊(かなづちぼう)Bがスライムのかけらを集めていた。

 他の金槌坊(かなづちぼう)は呆れ顔である。


金槌坊(かなづちぼう)F「まだまだ、モンスター作りは研究が必要ということですね……」


 

 そうして金槌坊(かなづちぼう)の会議は終了していた。

 少年が部屋に戻ろうとした時、金槌坊(かなづちぼう)Aが声をかけてきた。




あるじ様、絶対に陰陽師には近づいてはいけませんよ…」

「そんなことはわかっているよ…」



「それなら、良いのですが…」




 会議が終わると、少年は自分の部屋に戻ることにした。

 いつの間にか寝てしまったらしい。




  ◇  ◇  ◇




 目を覚ますと、外は明るくなっていた。

 少年は近くのコンビニに牛乳を買いにいくことにした。


 

 少年は妖力を使って、大きなビルの上を飛びまわっていた。



 ふわっと浮いた。

 鳥のように上空に向かっていく。



 飛び跳ねていると、コンビニのあるビルの屋上まで着いていた。

 体をひねらせて、クルクルと体を回転させながら、ビルの屋上に降りることができた。

 体操選手のように着地のポーズをしてみることにした。



 きっと、100点満点。



 YouTubeで体操の映像を見ただけで、思った以上に上手くできていると感じていた。

 妖力を使えば、どんなことでも可能である。


 そう思えるほどの強力な力であった。

 彼の体には痛みは感じられず、むしろ妖力が魂と融合していくような感覚に包まれていた。


 屋上に立つと、ただ、下に視線を向けた。

 たくさんの駅に向かう人々の姿を見ることができた。




 屋上のコンクリートの上で仰向あおむけになると、少年はぼんやりと空を眺めていることにした。

 雨が降りそうな匂いがして、町の中がざわついている雰囲気を感じることができた。


 駅前に視線を向けると大きな2棟の高層ビルが見えていた。

 この場所は静かな場所だなと思う。



 雨が降りそうな黒い雲に覆われた空を見つめていた。

 この世界は変わることを望んでいない。だとしたら、自分の夢であるダンジョンを作っていいのかな、と少年は思っていた。

 

 ポツリポツリと雨が降り出した。

 今日、学校で生徒会の打ち合わせに参加することになっていた。


 少年は生徒会長のことを考えていた。

 

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