伝説のチョコレート
2月は賑やかなイベントが2つあります
まずは節分で豆まき
鬼は外福は内
と景気よく豆をまきたいのですが、大人になるにつれて後の掃除を考えたらしょぼい数しか投げられなくなりました
今や豆まきすらしていない私です
鬼退治できてなさそうですね
そして節分といえば巻き寿司の丸かぶりが有名になってきました
関西から始まったとか言われていますが子供の頃はそんな風習はありませんでした
でも、いつから食べ始めたのか?と考えても今となってはまったく記憶がございません
鰯を食べるとか柊鰯を飾るとかは大昔からありましたけどねぇ・・・
そしてもう一つの賑やかなイベントはバレンタインデーですね
これもこの国ではいつからか女性から男性へチョコレートを贈るとかが定番になったみたいなのですが、もともとは違うようですね
でも、これに関しては子供の頃から知っていて、ほんと貰える当てもないのにワクワクしていました
貰える当てがないから貰えると嬉しいのかな
それを期待するのがまたワクワクして楽しいと言うことですかね
毎年期待はずれで終わった少年時代でした
自分が気になっている子がくれないかな?なんて淡い想いを抱いていた自分が我ながら今は純粋だったなぁと懐かしく思っています
高校生になって2月14日は学校行事で長距離走がありました
近所の大きな公園の1週2.8キロの外周コースを男子は5周、女子は3周走るのです
スタートとゴールは公園の中にある陸上のトラック上です
つまり男子は約15キロ、女子は約9キロ走るのです
体育会系クラブの経験の無い私はそんな距離を生まれてはじめて走ることになるのでした
いややよなぁ・・・大丈夫かなぁ・・・
毎年3年生は受験のため参加しませんので、1年生と2年生が一斉に走るのです
最初に男子が走り出し時間差で女子が走り出します
ところが1年生の時はその時期にインフルエンザが流行して中止になりました
ヤッター!とても嬉しかったのを覚えています
でも、残念ながら2年生の時は神風邪は吹かず予定通り走らねばなりませんでした
高校生になると体育会系クラブとそうじゃない人の体力差は桁違いです
特に、我が校では陸上部やテニス部、バスケットボール部は日々長距離走るのが部活みたいなところもあり、優勝候補はほぼそれらのクラブに所属している者でした
1年生と2年生合わせた男子も女子もそれぞれ500人超えの者が一斉に走り出します
その年も優勝候補はテニス部のある2年生だったと覚えています
スタート!
体育会系クラブの上位を目指す者が一斉にダッシュをかけます
100メートル走と違うんやで・・・と思うような速度でトラックを走り外周コースへ飛び出していきました
私は持久走のつもりで最初から一定のペースを維持してスタートしました
外周コースでもマイペースで走りました
ただ、少し前にいる者は抜いてみようという試みをしながら走りました
3周目の終わりぐらいで先頭集団に抜かれて周回遅れになりました
恐ろしい速さで走っているんやなぁ・・・
4周目に入ったところで後からスタートした女子の先頭集団に抜かれました
これまたすごい速さで走っているんや・・・
途中とても飛ばしている知り合いがいたので、ふざけて後ろをついて走ったら少ししたところでいきなり体がガクンと重くなり動かなくなりました
よくテレビでマラソンを見ていたら急激に遅れだす人がいたりするのはこういうことなんやと妙に感心したことを覚えています
数分したら元に戻ったので、それ以降は即経験上そんな馬鹿なことはしないで走り続けました
ゴール!
結果私は500人超えた男子参加者の中で150番台だったと覚えています
なかなかやるやん!と当時は嬉しかったのも覚えています
さて、この長距離走は2月14日に開催されるので、男子で優勝したものには女子からたくさんチョコレートが貰えるという受け継がれた言い伝え・・・つまり伝説があったのです
上位を狙える男子はこれもあって張り切って走るのです
翌日の昼休みの時間に放送部が校内放送で昨日の長距離走で優勝した男子のインタビューを流しました
その年の優勝者はテニス部の2年生でした
前評判通りの結果
この優勝者はインタビューで3年生は走らない高校最後の長距離走で見事優勝できた喜びを語り最期にこう付け加えました
「優勝したらたくさんチョコレートが貰えると聞いて期待して頑張ったんやけど、一個も貰われへんかったぞ!」
これだけ速く走っても伝説のチョコレートにはなかなか追いつけないようでした