11 エデン創世記~アリステア神話~
◇◇◇
太古の昔、天界の神々は多くの星を創造した。無機物のみの星、植物が支配する星、動物の星、獣人が暮らす星、人が暮らす星、神々の星。
数多の星が生み出されるなか、その星は生まれた。小さな小さなその星は、神々の願いを込めた希望の星。数多の種族が混じり合い共に暮らす美しく平和な星だった。
神々はこの星をエデンと名付けた。そして、天上の神々の中で最も若く、美しい女神にその星を捧げた。
女神の名前はアリステア。最高神の一人娘として天上で最も愛されている女神。
女神は喜び、この星に祝福を与えた。『魔力』という名前の祝福。女神の与えた加護によりこの星に住む人々は多いに栄えた。
だけどある日悲劇は起こった。知恵を付けた人間たちは国を作り、お互いを敵と見なし戦争を始めたのだ。嘆く女神を見て最高神はこの星に滅びの呪いを掛けた。
星には瘴気が満ち、恐ろしい魔物が次々と生み出された。更に知恵を持った魔物は魔族となり、人々の生活を脅かした。
美しかった星が荒れ果てていくのを嘆いた女神は、天界を飛び出しその星に降り立った。女神に心からの忠誠を誓う神獣たちを従えて。
こうしてエデンは滅びの呪いを受けつつも、女神の加護によって護られた混沌の星となったのだ。
◇◇◇
「ねぇシスター、女神様はずっとこの星にいるの?たったひとりで?」
「そうですね。天界の神々の元を離れ、たった独りでこの星を見守っていらっしゃるのです」
「女神様はどこにいるの?」
「どこかに、きっといらっしゃいますよ」
「女神様にあったらわかるかなぁ」
「ええ、きっと……」
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