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第11章 二十一、薬が効いて
朝、目が覚めると、
すっかり気分も良く、熱も下がってそうだった。
ふと気配を感じて見ると、
ベッドサイドに突っ伏した利緒いた。
驚きの余り上げそうになった声を
石田は何とか抑えた。
そう言えば、旗野に連絡したら
加瀬さんが訪ねてきたんだった…
握りしめたまま寝たらしい携帯で
時間を確認すると、
史緒里からメッセージが届いていた。
〈最高のクリスマスプレゼント、届いたでしょ!
お返しの私の分は、クリスマス後も受付中なので、
せいぜい奮発してよね〉
石田の起きた気配を感じたのか、
利緒も目を覚ました。
「あ、私、寝ちゃったんですね…
しかも足、すっごく痺れてる」
「ありがとう、加瀬さん。
旗野が連絡して、来てくれたんだよね。
薬も飲み物もなくて、ホント助かった。
すぐ帰ってくれて、全然良かったのに。
風邪、うつってない?」
「大丈夫です。
私が側にいたかったんです。
ご迷惑でした?」
「そんな、とんでもない!
目が覚めて、加瀬さんがいるなんて、
いやもう、サイコーっていうか、
まだ熱があって幻覚でも見てるのかって」
その時、石田のお腹がグーっと鳴った。