195/197
第11章 二十、薬を届けに
それからまたウトウトしていると、
インターホンが鳴り、
ドアがガチャリと開く音がした。
「おー、旗野、早かったな…」
「あ、加瀬です」
「え、加瀬さん? え、待って、なんでなんで?」
石田の朦朧とした頭では、
なかなか状況が掴めない。
「旗野さんから連絡頂いて、
遅番で遅くなるからって言われて
代わりに来ました。
ご迷惑じゃなかったらいいのですけど」
「迷惑なんてとんでもない」
石田は、ありがたく薬を受け取り、
飲むと、また眠りについた。