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第11章 十四、ペットについて
「そうなんだ…
うちも実家で猫飼ってるからな。
隣で1時間も2時間も犬に吠えられたら
うーん、嫌だなぁ。
飛行機の中に一緒に連れて行けないの?」
「日本の航空会社は、ペットは不可ですね。
盲導犬とかは大丈夫ですけどね。
以前見かけた時は、ラブラドールでしたけど、
お仕事中なのに、ちょっと興奮してて
可愛かったです。
海外のエアラインだと、
ペット持込可なトコもありますし、
オーストラリアとか、セラピードッグならぬ
セラピーカンガルーって言うんですか、
カンガルーが乗客の不安を取り除くために
機内でサービスしてたりするところも
あるみたいですよ」
へぇーと驚いた相槌を続ける石田に、
利緒はハッとして言った。
「すみません、こんな仕事の話
つまんないですよね、
私ったらペラペラと。
石田さんったら聞き上手だから」
慌てる利緒に石田は言った。
「いや、いいんですよ。
仕事頑張ってるんだなって」
寒い寒い一日の最後、
気持ちが暖まる思いがした。