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第11章 八、レストランで
滑走路の見えるレストランに入り
店員に「お好きな席にどうぞ」と言われ
店内を見回すと、知った顔があった。
利緒だった。
すると、利緒もすぐに入口の石田に気付き、
会釈した。
石田は利緒の席に近付き挨拶した。
「あ、加瀬さん、お久しぶりです」
「お久しぶりです、
こないだはありがとうございました。
楽しかったです」
「それは良かった」
「もし良かったら、ご一緒しませんか?
私は食事終わっちゃって、
あとコーヒーだけなんですけど」
「あ、じゃあ、お言葉に甘えて」
「もしかして、次の羽田便でご出発ですか?」
「そうなんです…
搭乗手続きが中止になってて…
なんか点検中とか言ってたけど、
何かあったんですか?」