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第11章 三、ファミレスで
「おいおい、呼びつけといて、帰るのかよ。
俺、今まで研究室で、メシまだなんだけど」
「そりゃ、ちょうど良かったじゃん、
ついでに食べて帰んなよ」
「は?一人で?」
「一人で。大人なんだから」
「ちょっとつきあえよ?」
「私、明日、早番なんだけど。
朝、4時半には起きなきゃなんだけど。
今ねー、23時でしょ。分かるよね?」
石田が史緒里の冷たい応酬を受けていると、
先程の困り顔の女性がおずおずと口を開いた。
「あのー、私、つきあいます。
私の為に来ていただいたのですし…」
「あー、加瀬ちゃん、気にしないでいいよー
大の大人が、ご飯ぐらい一人で食べろってね」
「あ、でも、私は明日、お休みですし」
「いや、でも、加瀬ちゃん一人を石田の元に
残して帰る訳にはいかないし。
んーもぅ!分かった、15分だけよ?」
史緒里たちは、先程出できたファミレスに
戻って行った。