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第10章 十四、来月には
シフト制の凛の会社では、
毎月15日までに、翌月の休みの
リクエストを出さなければならない。
朝のミーティングで
その事を純礼に言及された凛は、
純礼に、月末の週末に休みを
リクエストして構わないか尋ねた。
もちろん、いいよ、と答えた純礼が、
ふと、何かを思い出したように言った。
「そいえば、最近、営業さんと
仲良いんだって?」
「あぁ、山中さんですか?
ビアガーデン行ったりしますけど」
「え、そうなの? 誘ってよ〜、
って邪魔しちゃダメか、
え、週末もっとリクエスト出していいよ?」
「いえ、別に、
なんか約束してる訳ではないので」
「えー、でも、来月には
向こうの空港、帰るんでしょ」
「はい」
「えー、じゃあ来月中にデートしといた方が
いいんじゃないの〜」
「いや、別にそういうんじゃないんで」
ふーん、と意味ありげな視線を送る純礼から
凛はそそくさと逃げた。