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第10章 十二、ビアガーデン
なんか、毎日飲んでますね、と言いながら
2人はビアガーデンに向かった。
9月に入ったとは言え、
残暑が厳しく、
外で飲む冷えたビールは美味しかった。
「山中さんって、ウィークリー
マンションにお住まいなんですね」
「はい、こちらには3ヵ月しかいなくて、
あとは本拠地の九州から営業に来ます」
「へー、一緒だ。私は2ヵ月なんですけどね。
南飛行場用に採用された新人が
向こうの空港で研修してて、
2ヵ月の研修が終わったら、
私はまた戻るんです」
「お、じゃ、短い付き合いになりますが、
色々教えてください!
ビール仲間ヨロシクです」
2人はジョッキを合わせた。
日が長いとは言え、
そろそろ夕暮れとなってきた空に
着陸体制の小型機が見えた。
「私、小型機って乗った事ないんです。
やっぱり揺れるんですか?」
「うーん、小型機でも個人所有の単発機
みたいなのは揺れやすいでしょうけど、
小型ジェット機ぐらいだと、
一般的な飛行機と変わらないみたいですよ」
「そうなんですね!
いつか乗ってみたいなぁ」
「ぜひ乗ってみてください」
ふたりは次第に打ち解けていった。