16/197
第２章 五、組織改編
木枯しが吹きすさび、
寒い季節となった、ある朝の朝礼で、
草津課長から、驚きの発表があった。
「4月より、伝票周りの業務は、
本社に新たにできる経理センターに移行され、
それに伴い、担当の変更を行います。
その前に、お伝えしないとならない事は、
まず、中岡さんが、ご結婚の為退職されます。
続いて、坂下さんも一身上の都合により
退職されます。
山川さんと芹沢さんは、経営管理の業務へ、
藤田さんは総務へ異動になります」
その午前中は、唯は
仕事もしたような、してなかったような、
呆然としていた。
仲が良かったこの経理チームが、
随分こじんまりする事が淋しかった。
「唯ちゃん、こんな形で知らせる事になって
ごめんね」
中岡に続き、杉浦が言った。
「経営管理の仕事は、営業の数字部分の
サポートとか、そんな感じだよ。
新しい仕事も、すぐ慣れるよ、頑張ろ！」
休日に励んでいる勉強を
新しい仕事にも活かして、
前向きに頑張ろうと、唯は思った。
