第10章 二、新メンバーにて
応接室に残された3人の中で、
まだ2年目の凛が少し緊張しているのを見て
純礼が話し始めた。
「大塚さん、だいたい分かったかな。
南飛行場は、基本、係員は2人しかいなくて、
私、小松と、新人くんが固定です。
で、新人くんの教育期間と、
その後の休みの交代要員が大塚さん、
私の交代要員が津田さんって事ね」
純礼の説明に、凛が頷くのを見ると
次は津田に話を振った。
「津田さんは、南飛行場に空港が
あった頃から、お仕事されてるんですよね」
「そうよぉ、空港が小さかったから
飛行機も小さいかったけど、
市内で交通の便が良いから、
満席も多くてね〜。
それはそれで、忙しかったわよ」
「そうなんですね、
色々教えて下さいね!」
「うんうん、懐かしいわぁ、聞いて〜。
こまっちゃんは、もう色々聞いてんの?」
「いやー、まだあんまり…
でも聞いてるのは、
九州に本拠地があって、
所有してるのは50人乗りの
小型ジェット機で、
朝、九州から南飛行場に飛んできて、
どっかに行って、南飛行場に戻って、
また九州に戻るとか、そんな事ぐらいで…」
「そっかー、まだ今からねー」
凛がベテラン2人の話を聞いていると、
純礼が尋ねた。
「大塚さんは、実家、市内だっけ?」
「はい、南区です」
「あー、近いから南飛行場要員に
選ばれたのかな、うん、ヨロシクね」
「はい、まだよく分かってないですけど、
よろしくお願いします」
凛は2人に頭を下げた。