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第9章 十六、唐突な決心
あまりに唐突な発言に、
純礼は、えっ…と固まった。
「実は九州に新規のエアラインが
できる事になって、
そこのディスパッチに誘われてるんだ。
小さな会社だけど、
一から会社を作る手伝いをして、
地域の人の足になる、
今、決心がついた」
純連は、へ、へぇ…おもしろそうですね…
としか言えなかった。
「おもしろそうでしょ、興味ある?」
…言ってくれれば良かったのに…
純礼はやっとの事で言った。
「ここ数ヶ月、
よく一緒にご飯食べたりしてたのに…
色んな事、いっぱい喋ったのに…
なんで、こんな大切な事だけ…
言ってくれれば良かったのに…」
岩瀬は何も言えず固まっていた。
「そうですか…
淋しくなります」
続いた純礼の言葉に、岩瀬は反応した。