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あの滑走路の向こう側へ  作者: きさらぎ ねこ
✈︎ ✈︎✈︎✈︎第8章
143/197

第9章 十二、雪道ドライブ




「そうね、ここの代替空港は

 滑走路の運用時間が21時までのトコが

 多いからね。

 またこっから羽田に帰ったら時間かかるし。

 判断は早いよねぇ」


「札幌からのお客様は、

 銀世界の千歳空港は通常運航だったのに、

 普段雪とは縁のないこっちが

 積雪で着陸できないと事になるとは、

 思いもよらなかったでしょうね」


「そうだねぇ、

 積雪への対策が万全の雪国の空港と、

 温暖な地域の空港の積雪時の体制は、

 本当に全く比較にならないからね」


「そうなんですよね、

 みんな気軽に北海道にスノボとか

 行きますよね〜。

 札幌便って、毎日到着してるけど、

 毎日ワースト(※6)ついてるし、 

 毎日到着してるのは、奇跡の連続なだけって

 みんな想像だりしてないですよね」


「雪の季節の飛行機はホントは、

 いつ欠航したりダイバートしても

 おかしくない事を承知の上で

 予定を立てなきゃ、なんだよね。

 冬に限らず、

 夏休みは台風、梅雨は霧、

 秋も意外と竜巻やヒョウが降ったり、

 つまり天気が不安定だったり、

 春も菜種梅雨とか聞くと思うけど

 秋と同じく天気が不安定だからね。

 天気に恵まれて、飛行機が定刻って、

 本当は奇跡なんだよね〜」


しみじみ話していると、

純礼の家の近くまで来ていた。


しかし、大きな道を逸れると

側道には轍もなく、

そこから先は一面真っ白で、

畑の間の細い道を行くのは危険だった。


「あ、私、こっから歩きます」


「いやいや、こんな遅い時間に

 こんな雪の中、女性を放り出すとか

 ありえないですから」


岩瀬は強い口調で言うと、

少し考えた。


「僕んち…来ますか…?」


「えー、そんな……」


「でも、誰か同期の家に行くにしても、

 また同じように、道が雪で見えなかったら

 難しいですから。

 僕の家は、長く勤める間に、

 雪でも車を出せるマンションに

 引っ越したんで」


「……、ホント、スミマセン…」


(※6) ワースト: 条件付き就航。着陸できない場合、他空港へ到着を変更したり、出発空港へ戻る可能性がある出発便




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