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あの滑走路の向こう側へ  作者: きさらぎ ねこ
✈︎ ✈︎✈︎✈︎第8章
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第9章 六、お手伝いが必要なお客様のケア





引き継ぎ通り、

障がい者スポーツ選手が続々と到着した。


いつもはバックオフィスで

管理業務にあたる上司たちも、

業務はベテラン女性係員に任せて、

総動員でケアにあたった。


殊に、岩瀬のような若い男性係員は、

上へ下へと大活躍だった。


一般的に、

車椅子をご利用されている方が搭乗する際、

手荷物カウンターで自身の車椅子は預け、

そこからは航空会社の車椅子に乗換え、

飛行機の通路は狭いので、

機内では大きな後輪を外し、

簡易車椅子の状態で機内に入る。


そして到着時、

車椅子は到着ロビーに届けられる。


しかし選手たちは自分で移動できるので、

シップサイドから車椅子に乗る事を

希望される方が多い。


飛行機に搭乗できる障がい者の方の人数は

非常時の避難などの関係で

上限が決まっている。


また、電動車椅子の場合、

バッテリーが危険物にあたる場合もあり、

こちらも搭載に制限がある場合がある。


飛行機が到着すると、

男性社員たちは、搭載課も旅客課も

車椅子を次々とシップサイドに運ぶ。


ボーディングブリッジの簡易階段を

駆け上がる。


新しくない建物である純礼の職場は、

エレベーターも遠くにあり、

遠回りして到着ロビー外の待合に案内する。


そして、到着ロビーのベルトコンベアには

荷物が回っている。

それをお渡しする。


到着の流れは、ザッとこんな感じだが、

来られたお客様は、また出発もある。


優先搭乗で、次々ご案内し、

シップサイドから次々と車椅子を運び出す。


それから、視覚障がい者が

盲導犬を連れているケースもある。


日本の航空会社はペットは貨物預かりだが、

盲導犬は機内に一緒に搭乗する。


訓練され、いつも冷静沈着な大型の盲導犬も、

飛行機に搭乗する時は

心なしかはしゃいでいるように見受けられるのは

空港という特別な空間だからだろうか。


いずれにせよ、

お手伝いの必要なお客様を

このように集中してアシストする機会は

とても貴重な体験となり、

純礼が何かしら考えるキッカケとなった。





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