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あの滑走路の向こう側へ  作者: きさらぎ ねこ
✈︎ ✈︎✈︎✈︎第8章
135/197

第9章 四、懇親会




純礼は新山からのメッセージの事を

岩瀬に伝えると、

取り敢えず、適当に注文し乾杯した。


うー、新山さんがいないと話題がない、

間がもたない、と純礼は思っていたが、

恐らく岩瀬もそうだろう。


やっとの事で捻り出した話題は

「岩瀬さんって、柴山空港にアジアの

 航空会社の飛行機が墜落した時って、

 もう仕事してたんですか?」


「してた、してた。

 あの事故は、雨による天候不良と

 乗員の操縦ミスと、メーカーの欠陥の

 色んな要因が複雑に絡み合った事が

 原因って言われてるね」


「そうなんですね。

 あの頃高校生で、進路とか、

 航空業界に漠然と憧れてたから、

 結構、衝撃で」


「え?高校生! そっか、高校生だったか…

 もとい、あの事故は、僕の仕事への意識も

 変えたよね。


 メーカーの欠陥とか、乗員のミスとかは

 僕らの力の及ばない原因だけどさ、

 でも天気だけは、天気は変えられないけど

 でも、僕たちディスパッチが正確に予測し

 注意喚起を行う事で、事故への要因を

 減らせるんじゃないかと思ってね。


 その予報も、乗員にだけ教えるんじゃ

 なくて、貨物や搭載、もちろん旅客課にも

 知って欲しくて、みんなが見れる所に

 情報入力してるんだけどね〜。

 一体どれだけの人が見てくれるのか…」


「私、見てますよ、

 旅客課でも、知る人ぞ知る情報って言うか。

 ほら、1年ちょっと前ぐらいですかね、

 霧でイレギュった時も、

 ディスパッチの人の予測、的中してて、

 スゴイなって、あれ岩瀬さんだったんですね」


あぁ、あったねぇと岩瀬は思い返していた。


そうこうしていると、

遅刻してきた新山がやって来て、

なーにー、仕事の話ー?と加わった。


新山が加わると、

場は盛り上がった。


帰りがけ、岩瀬と別れ、

新山は純礼に言った。


「岩瀬さんってさー、

 なんかすごく旅客に馴染みそうよね。

 雰囲気がさ、女の子に囲まれても

 一緒にきゃいきゃいしそうって言うか。

 んー、なんか私、岩瀬さんなら

 一緒に温泉入れそう、

 肌スベスベーとか言ってそう」


と笑っていた。




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