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第7章 二十二、遅番帰りに
今となっては夏帆が発券のリーダーと
なっていた。
遅番が終わり、売上のチェックを終え、
後輩たちを帰し、夏帆は最後だった。
照明の落ちた建物を歩き、
職員通用口から出た。
すると自販機の陰に人影が動いた。
海だった。
驚きの余り固まっている夏帆に、
あの人懐こい笑顔で海が言った。
「三沢さん! お久しぶりです!」
「お、お、お久しぶりです…」
「俺、気象予報士の資格取って、
OCCに配属される事になったんです!」
「う、うん、なんか聞いた…」
「え?聞いちゃってたんですかぁ…
なんだ、自分で言いたかったのに」
「す、すみません、大西課長が…」
「課長ぉ〜……。ま、いいや、
でもこれは知らないはずですから!
俺が気象予報士取ってOCC目指した理由!」