114/197
第7章 十八、残り1ヶ月
7月、海の研修も残すところ1ヶ月となった。
シフトにも普通に組み込まれ、
夏帆と勤務時間が合う事も少なくなったが、
会えば、他の同僚へと同じように
あの人懐こい笑顔で挨拶した。
梅雨も明けると、休みの日は、
松本や木本とウィンドに
出掛けているようだった。
空港は夏休みに入り、
賑わっていた。
海も、夏休みならではの、
お子様一人旅や
旅慣れない家族連れのケアなど
奔走しているようだった。
教育リーダーの新山が夏帆に話しかけた。
「三沢さんのお陰で、
小牧君、育ったね〜」
「いえいえ、そんな私は何も」
「すっかり馴染んじゃって、
本社に帰っちゃうの、淋しいね」
「そうですね」
海は和気あいあいと、
他の同僚と仕事をしていた。