第7章 十四、車で送って行くと
海は夏帆から住所を聞き出すと、
スマホのマップに入力した。
海が車を出し、空港の敷地内から出ると、
程なく夏帆は寝息を立て始めた。
「三沢さん、着きましたよ、
駐車場入っちゃっていいですか?
停めてるトコどこですか?」
「え?駐車場?
あ、寝てた? いつの間に?」
「結構すぐ寝てましたよ?」
海が笑っていた。
危なげな足元で部屋に向かう夏帆を
支えて海も部屋に向かった。
「ヤバー、部屋片付いてたっけな」
部屋に上がると、夏帆はそのまま
ベッドに突っ伏し、再び眠りに就いてしまった。
あらー、そうなるよねーと思いつつ
ソファに腰を下ろした海も、
そのまま眠ってしまった。
「え!6時半?!
え?朝?晩?
外、薄暗い、ビミョー、どっち?
え?誰…」
目を覚まし飛び起きて、相当混乱した夏帆に、
海は笑いながら言った。
「小牧です…三沢さん、面白すぎー。
朝か晩かって言ったら、晩の6時半ですね」
「あぁ…、小牧さん、運転してくださって…
状況を整理していた夏帆のお腹が鳴った。
「あ、お腹減って、目が覚めたんだった」
また海は爆笑していた。
「飯、行きます?」
「そうですね、なんか小牧さんに頂いたコーヒー
今頃効いてきて、目パッチリですよ」
そりゃ、カフェインもそんなすぐは
効かないでしょ、とまた海は笑っていた。