表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの滑走路の向こう側へ  作者: きさらぎ ねこ
✈︎ ✈︎✈︎第7章
107/197

第7章 十一、気が付いたら




「三沢さん、起きれますか?

 早番、行けそうですか?」


海の心配そうな声が聞こえてきた。


え?小牧さん? 夢? 

ぼんやり目を開けると、

なんだか見知らぬ天井。


まだ夢?

声で起こす目覚し時計ってあったよな、

小牧さんの声で起きるとか、

目覚め良さそう…


そんな事考えていると、

夏帆の目の前に海の顔が現れた。


「大丈夫ですか?」


朦朧とした意識が一気にクリアになった。


「え? 小牧さん? なんで? ここドコ?」


「覚えてないんですね。

 昨日、遅番終わった帰り、通用口のトコで

 三沢さん、倒れたんですよ。

 だから俺の部屋に連れてきました。

 大丈夫です、俺、ソファで寝ましたから」


情報の処理が追いつかないが、

何となく事態は飲み込めた。


「今、5時です。そこ、シャワー使って下さい」


言われるがままに、夏帆はシャワーを借りた。

化粧直し程度のメイク道具しかなかったけど、

それは仕方ない。


部屋に戻ると、海がコーヒーを入れてくれていた。


頭もハッキリしてくると、

この状況をどうしたら良いのか、

逆に気持ちが混乱してきた。


「昨日の帰りに通用口に小牧さんが居たのは

 何となく思い出せました。

 そこで私、倒れちゃって、小牧さんが

 部屋に連れて来てくれたって事なんですよね?


 すっかりご迷惑をお掛けしたようで、

 ホントスミマセン。

 会社の借りたホテルに上がり込むような事。

 お恥ずかしい事限りないです」


「事態が事態でしたから…」


「コーヒーご馳走様でした!

 色々ご迷惑をお掛けして、スミマセンでした

 私、先、行きます」


夏帆は立ち上がり、ペコリと頭を下げると、

そそくさと部屋を後にした。


空港脇のホテルから、

辺りをキョロキョロ確認したがら

職場の通用口へ急いだ。


多分誰も見てなかった。

よく眠れてハッキリした頭で

出勤する事ができた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ