第7章 七、ウィンドサーフィン
松本とウィンドサーフィンの約束の日、
夏帆は海を車に乗せて、海岸に向かった。
松本の先輩、木本も一緒に
セイルの準備をしていた。
2人の打ち解けた様子に松本は
ふーん、と意味ありげにニヤニヤしていた。
海は、松本から簡単に説明を受けると
あっさりマスターして、
2人で海に出て行った。
木本も跳ねるように海に出て行った。
夏帆は、その辺の海に出ると
セイルを倒し、ボードに腰掛けた。
そしてぼーっと海に漂うのが、
夏帆の癒される時だった。
海から上がると、
木本の行きつけの定食屋で
遅めの昼食を取った。
「うわー、海の幸、旨そうっすね!」
喜ぶ海に、木本は謙遜した。
「いやー、本社のエリートのお口に合うか…」
少し淋しそうな顔なった海に、
夏帆は話を変えた。
「うちの同期ね、仕事の時の名前の略称がね
みんな、空港スリーコードなんだよ」
「あー、三沢さんはMSJ!」
「そう、じゃ、松本は?」
「MMJ!」
「小松が?」
「KMQ!」
「松下は下の名前がちとせなの」
「CTS!」
「小牧さんは…何だっけ?」
「NKMですね」
「昔の名古屋空港だからNGOでよくない?」
楽しく喋る3人を
お、いいね、青春だね、と木本が微笑んでいた。