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第7章 四、海仲間
早番が終わってから、
夏帆は海を連れて搭載に降りた。
「お疲れ様でーす、松本いますー?」
「お、三沢ちゃん、松本なら、さっき上がったわ、
ロッカー覗いてみて」
「覗きませんけど、ありがとうございまーす」
夏帆がロッカーのドアを叩きながら
外から松本ーと呼んだ。
ほーい、と言いながら、日に焼けた松本が出てきた。
「あー、松本、こちら本社から研修に来られた
小牧さん。大学の時、ヨットやってたんだって」
「えー、マジ?」
海と松本はすっかり意気投合して
連絡先を交換していた。
「明後日、夏帆っちも行くだろ?」
久保の誘いに、海が驚いた。
「え、三沢さんもウィンドされるんですか?」
「え、私はグルーっと周る程度ですけど。
明後日? あー行こうかな」
夏帆が誘いに乗ると、松本が言った。
「俺、実家に小牧さん分のボード取りに
行ってから向かうから、
夏帆っち、小牧さん乗せてってな」
「え?私? ああ、わかった」
松本と別れて、旅客課のロッカーに戻る途中、
海が夏帆に尋ねた。
「すみません、そいえば、
クリーニング屋ってどこですか?」