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戦、前日までの話

戦まで一週間を切り、自分用の武具が道場に届いた。

胴のみを覆う鎧、手の甲から肘の先までを覆う手小手、足への負担が掛からないよう考慮されて走りやすい靴、そして脛当て、いずれも軽量ではあるが、しっかりとした作りで頑丈そうである。



軽さよりも強度を重視してより頑丈にすることもできるが、俺に合わせて比較的軽い作りにしてくれたとのことだ。

多少は身体つきが良くなったが、それでも元から骨が太くないので線が細い。

重装より軽装の方がありがたい。

武具の費用に一八万を払ったが、普通に入手するとなると全く足りないと聞いた。

戦時なので国が戦に出る道場の門下生の武具購入には手厚い補助を付けており、今回はそれで大半がまかなわれた。


実は道場にも国からランク付けされており、特級を筆頭とし、その下に一から三級がある。

ちなみに神皇流道場は特級の認可を受けている。

聞くところによると、武道を志す者は神皇流道場の門を叩こうとする者は非常に多いらしい。

事前に道場のランクを調べて、より良いところに行くというのが一般的な風潮だ。

どこで調べるのかと言うと、主に書店であったり、兵務署であったりする。

まぁ、俺は知らなかったけどね。


特級ともなると補助がそれはそれは大変手厚く、九割くらい国が負担してくれる時もあるという。

ただ、絶対に無償にはならない。

国と道場組合の取り決めで、自分の命を守るためのものを対価を払わず手に入れるべきではない。身銭を切ってこそ武具に愛着が湧くし、大事にできるだろうということである。


防具はわかったが、肝心の武器の方はどうなのかというと、師範から餞別にと二振の双剣を頂いた。

大太刀や太刀もあるが、自分には双剣が良いだろうと選んでくれた。

刃渡りは普通の刀より短いが小太刀よりは長い造りの曲刀である。

この双剣はとある鍛治士の夫婦が作っており、双剣使いでは知らぬ者はおらず、愛用者が多い一品と聞いた。

銘は『月華(つきはな)


武具にも等級があり、下から順に

粗悪品、普及品、三級、二級、一級、特級、皇級、神級

という格付けがある。

それぞれ文字の如く、神級は神話や伝説レベルの眉唾物の品で皇級は国宝レベルとされている。

月華は二級品相当で自分が持つには過ぎた品と言っても良いくらいだ。

月華に限らず、倉庫には他にも業物とされる武具が多数あり、戦利品であったり、武勲であったり、色々なところから貰ったらしい。


これから戦までは今までの組み手に加えて、実際の刀での切り方を教えて貰ったり、身体や武具に気を込める練習を行う。

ただ意外なことに特に重点的に行うのは小手を使った斬撃の流し方の練習だった。

双剣が使い物にならなかった時に頼りになるのは己の拳のみ。

その時、刃筋通りに斬撃を受ければ無事では済まないので、避けられないならば逸らして防がなければならないためである。


戦が近いので、より無事に生き残れるようにと師範が連日朝から晩まで付き合ってくれた。

ただ前日だけは翌日が戦ということで軽めの内容だった。



「足りぬところは多々あるが、通用するであろう。ただぬしより強い者が数多くいる事を忘れるな。危うくなったら逃げよ。危きには近寄らぬようにせよ。わしから今のぬしに言えるのはこれくらいだ。武運を祈る。」


「必ず生きて帰ってきます!これが最後になると嫌なのでご指導下さったお礼は帰ってきた時にします!」


師範と弥生さんに礼をし、道場を後にした。


いよいよ戦が幕をあける。


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天貴の装備

【武器】

・月華[双剣-二級]


【防具】

・軽鎧[二級]

・小手[一級]

・脛当て[三級]

・靴[二級]


【加護】

・矢除けの加護[矢が避けていくかのように全く当たらない加護]

・不運除けの加護[予期せぬ不運を避ける。幸運になるわけではなく、強い運命には抗えない]

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