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冴えない男

全速力で琴音ちゃんを抱えて走った甲斐もあって、どうにか巻けたらしい。


奴らも流石に懲りただろうし、予定していた買い物を続けることにした。


女性の身嗜みを整える系とか下着とか、困っちゃうよね。

お金渡して選んでもらっている間にこれからの事を考えた。


明日は師範のところに一緒に行こう。

それでどうするのか相談しないと。


自分のことにしてもそうだ。

戦があれば稼げるのは良いが、逆に言えば戦がなければ稼げない。

仕事を探すか……。


無職でやらないといけないけど、一番やりたくない職探しのことを考えていたら琴音ちゃんが戻ってきた。


「暗い顔してどうしたの?」


「あぁ、うん。色々どうしようかなって。ご飯は食べてから帰ろうか?」


「え!いいの!?さっきの所もう一回行きたいな」


実は自分もあの蕎麦屋にもう一度行きたいと思っていた。


歳も近いし、気が合うし、ひょっとしたら運命の人なんてこともあるかもしれない。


ついに春が来たか!


と思ったけど、春が終わってもう夏じゃん。


夏どころか梅雨だし、風情も何もないな。


春が終わるの早いですね。



勝手に妄想して勝手に落ち込んでいる間に、例の蕎麦屋に着いた。


色々大変だったねということで、奮発することにした。

うな重食べてツマミを食べつつ酒も飲む。

昼は蕎麦食べたからそれ以外にしようと思った。

ちなみに琴音ちゃんは天重を食べている。


小食ではないけど、大食らいでもない。

前者は少し寂しくて、後者だと悩ましいから、ちょうどいいなと思いつつ、初の逢引の締めに華を咲かせる。


しかもお酌もついてるときた。


お互いに美味しかったねと、ホクホク気分で店を後にするとお約束がやってきた。


さっきの奴らの仲間か。


と思ったけど、用件は違っていた。


「そんな冴えない男と一緒にいないで俺たちと遊ぼうぜ」


「冴えないかもしれないけど、私は良いと思ってます。ごめんなさい」


良いと思ってくれるのは嬉しいけど、琴音ちゃんから見ても俺は冴えないのか……。


誰か、冴えてるって何か教えて下さい。

遺伝的にオデコは冴えそうなんだけどな。


ここでお約束の乱闘が始めるのかなと思ったら、そんなことはなくて彼ら3人組は引き下がっていった。


「じゃあ、帰ろうか」


と、家に向かっているとさっきの奴らが距離を取ってついてくる。


さて、どうしたものか。

選択肢は

1.今すぐぶっ飛ばす!

2.とにかく逃げる

3.路地裏でおねんねしてもらう


うん。3だな。



「ちょっと寄り道しよう」


頭に疑問符を浮かべながらも、彼女は付いてきてくれるという、なんて良い子なんだと思う。

そもそも奴らに気付いていないのだろう。


人気がなさそうな通りにちょうど良い曲がり角があって、そこに潜む。


来ないかなぁなんて思っていたら、案の定来てくれた。


のこのこと歩いて探しに来ている三人のうち

二人を角を曲がってきたところをたて続けに、鳩尾を突いて気絶させる。


驚いて逃げようとする一人の首袖を引っ張り、確保してから首に手刀を叩き込む。


んー、やはり昼の奴らの仲間だろう。


家を特定されてるかもしれないし、そうでなくても時間の問題だ。


ふぅ、明日は相談すること多いな。



こうして、ドタバタした濃い一日は終わった。


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