第8話 行動開始
4日後。 19時。
何度か襲撃があったが、その都度、全員畑の肥やしに生まれ変わっていただき、ついに結婚式前夜になった。
椅子に座り、行儀悪く机に足をのせてくわえ煙草をしながら西嶋がタイプライターで纏めた資料を読む。
式は明日13時。街の中央教会にて執り行われる。
警備は奴の私兵ども。騎士に傭兵、騎兵と歩兵が警備の要か。
来賓は大物は居なさそうだな。
…。
……。
………。
よし。これで行くか。
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翌日。
「隊長、彼らは?」
「先にあの街に帰した。あとから合流する」
答えながら装備を調える。
夏衣袴(九八式)を着、帯革を装備、途中で三十年式銃剣を下げる。
左足に自作の手榴弾入れを革帯に下げ、足に革紐で固定する。
表の革紐部分にM24柄付手榴弾を3発装備。
右足には自作の散弾銃入れを装備し、M37ソードオフモデルを装備。
後ろ腰辺りにホルスターを2つ装備し、M714を2丁、コッキングし、初弾を装填、ホルスターに入れる。
ショルダー型の弾倉入れを装備し挿弾子で留められた9ミリ弾を4本入れる。
一式弾帯を2本腰に巻き、三八式実包を120発と九九式手榴弾4発装備。
ペペシャ用ドラム弾倉入れを一式弾帯の後ろの帯革部分に2つ装備し、ドラム弾倉を入れ、クロスするようにM24柄付手榴弾を2発差し込む。
日本刀を帯革の右側に差し込む。
三八式歩兵銃に弾を込め、着け剣負い革で背中に回す。
ペペシャにドラム弾倉を差し込み、コッキング、初弾を装填。
最後に略帽と九○式鉄兜を被り、白い長鉢巻きを巻く。
「そんなに装備して重くないんです?」
「いや、通常クラスだが?」
「それでです?」
装備し終え、仲間たちを見る。どうやら彼女たちも準備は終わったようだ。
佐久間は夏衣袴(特殊な着こなし)に変わらずトンプとガバメント。トンプ用弾倉が4本。
西嶋は服を服を変え、ドイツM36野戦服、ミリポリ1丁とシュマイザー。M24柄付手榴弾2発。それと銃剣でシュマイザー用の弾倉が7本。
家島は義空装備に近く、改造夏衣袴(ポケット追加と手描き迷彩)一〇〇式機関短銃、弾倉9本に日本刀、十四年式拳銃に雑嚢に九九式手榴弾をしこたまとあんパン爆雷を3発。
「…これ装備だけ見たら救出じゃなくて完全に基地襲撃だよな」
「同意です。特に隊長と家島」
「お前は腰に上着巻いて胸んとこ晒しってどこの兵隊やくざだよ」
まともなのがドイツ国防軍仕様の西嶋しか居ない。
なお、佐久間以外は鉄兜を被っている。
「さて、戯れはそこまでにしていただき、隊長、作戦は」
「難しくはない、車で突っ込み、教会の門を爆破、お前ら3人で中に敵を近づけないようにしつつ俺がごみ掃除してエミリアを拐ってくる」
「交戦規定は?」
「こちらに向かってくる敵は撃て、民間人には当てるな。民間人に被害が及ばないなら爆発物も使用していい」
「車両は?」
「キャーベルワーゲンTyp 82。こいつを2両、佐久間と西嶋が運転しろ」
「はっ!」
「了解」
「敵追撃の際はどうするんです?」
「その際は任意に排撃。そのままラエの街に向かう。ほか。何か質問は?」
「ありません」
「特には」
「大丈夫です」
「よし、では作戦を始める。各自、行動開始」