第6話 人員召喚
部屋を出て階段を降りる。
「おはよう」
「…おはよう」
すでにおっさんは起きており、何やら料理の仕込みをしていた。
「もう行くのかい?」
「事前準備を含めて早い方がいいからな」
「そうか…。ちょっと待ってて」
そう言うとおっさんはライ麦パンとスープ、干し肉を包み始めた。
「朝食に食べるといい。家の特製スープとパン、干し肉だ」
「…んじゃ。遠慮なく」
おっさんから包みを受け取り、雑嚢に放り込んだ。
「…世話になったな。じゃあな」
「…ああ、元気で」
チッ。懐かしさからか感情移入されてるか。
…さて、行くか。
店を出て門に向かう。門の前で領主の居場所を聞き、街を出た。
街道をしばらく進み、召喚からくろがね四起を召喚する。
目指すは奴の居場所。城塞都市ゲナーブァ。
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しばらく車を走らせ、都市の近くで車を降りて格納する。ここからは徒歩だ。
しばらく歩き続け、城門にたどり着いた。ギルドで発行して貰った身分証を提示して、門をくぐる。
「さて、まずは宿屋を借りよう」
ギルドに出向き、近くの宿屋を見繕う。
割りと安いところがあったのでそこで1部屋借りる。
ベットに座り、包みを1度格納してから取り出す。
「うん。イケる」
ぶち壊すとしてもどうやってやるか。圧倒的に手が足らん。
…やはり、ここは人員召喚か?
ステータスを開き、人員召喚をタップ。
ふむ、衣服とかある程度設定できるらしいな。
とりあえず従軍経験あり、装備は夏衣袴(九八式)、ゲートル、地下足袋、帯革。ふむ。人数は少ない方がいいな。じゃあ3人。
設定し終え、召喚をタップ。
シャワンと言う音と共に光が現れ、光が消えると、そこには3人の兵士達がいた。
「佐久間 夏海。ただ今着任した。これより隊長殿の指揮下にはいる」
「西嶋 怜。同じく着任しました」
「家島 光希です。これからよろしくです」
うん。見事に女性兵士だけ来たね。
自己紹介と共に綺麗に敬礼を決めた彼女たちに返礼を返す。
「峰岸 深雪だ。今回君たちを呼んだのは…」
それから色々と事情を説明する。
するとやはり、顔色や表情は変わらないが目には怒りが宿っていた。
「そのレイモンドと言う男。屑ですね」
「まあ、挑発した俺にも責任はある」
「いえ、隊長の過去からして流石に仕方ないかと」
ん?俺の過去?
「邪神殿から隊長の過去は聞き及んでいる。映像と共にな」
「…なるほどねェ」
邪神は1度締めた方がいいと思うの。
「それで、どの様に?」
「もちろん結婚式はぶち壊す。なるべく派手にな。ただその為にまずは情報収集が必要だ。まずはそれを諸君らに頼みたい。俺は面が割れてるからな。この部屋から屋敷を観察する」
「「「了解」」」
んじゃ。とりあえず自衛火器やら装備やらを出しますかね。
SCR-536と大型無線機を召喚する。それと雑嚢と水筒。三十年式銃剣、それと腕時計だ。
「今回は時間がないからな。各自が出来るだけ使い馴れてる武器等を渡す。リクエストは?」
「では私はM1911A1とM1トンプソンでお願いします」
「私はM10回転式拳銃とMP40でお願いします」
「ボクは一〇〇式機関短銃と十四年式拳銃がいいです。よろしくです」
「ガバ、トンプ、ミリポリ、シュマイザー、一〇〇式、南部と。よし。召喚」
予備弾薬に予備弾倉、負い革とホルスター、弾倉入れも忘れない。
「よし、では各自行動開始、何かあったら無線で連絡しろ。17時には戻ってこい」
「「「了解」」」
3人が部屋から出るのを見送り、ステータスから双眼鏡とデグチャレフ対戦車ライフル、ペペシャと弾薬、弾倉を召喚する。
さて、俺も監視を始めるかな