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第2話 騎士との出会い

 「キャァァァア」


 咄嗟に悲鳴がした方を振り返る。

 そこには倒れこむ親子と武器を持った緑色の小男が居た。

 小男は手にした棍棒を振り上げると親子に向けて降り下ろした。

 しかし、降り下された棍棒は親子を捉える事はなかった。

 間一髪。門の前にいた騎士の剣が割り込み、何とか押し留める。


 「早く逃げろ!」


 騎士はそう言うと剣を構えた。

 すると、それを合図にしたかのように9人の小男が現れた。


 「これは多勢に無勢か…。んーどうするか」


 騎士、それに声と体格、体運びから恐らく女騎士か…。ふむ。騎士に恩を売っておくのは悪くないかな。

 即決でそう決断し騎士の後方に回り込もうとしていた小男に最短で近づく。

 ポケットからナイフを取り出し真後ろに立たれても気づかない間抜けの首を掻き切る。

 続けてナイフを指に引っ掻けたまま近くの小男に近づくと、頸椎を捻り折った。


 「!子供がこんなところで何をしている!早く逃げろ!」


 ありがたいことにどうやら自分1人で敵を引き付けてくれるらしい。


 「数が多くて苦戦してたっぽかったんでな。助太刀する」


 近場の小男に近づき、鳩尾に拳を叩き込む。するとくの字に体が曲がったので無防備な首を掻き切る。これで3人目、騎士は1人倒したから後6人。

 少し距離をとっていた小男が矢を放ってきたので2本の指で挟み取る。

 矢を持ち変え、弓持ちの小男に投擲。投げられた矢は狙いを反れず、小男の首に刺さる。


 「ん。刺さりが甘いか。これだから安物は困る」


 もがく小男に近づき、首を掻いて止めをさす。

 小男から弓を鹵獲し、矢をつがえる。あ、何か剣持ってる奴いるな。そいつにするか。

 矢を放ち、首を射抜く。すかさずまだ少しもがいている小男に近づき剣を奪い取る。

 片手直剣か。少し錆びてるし趣味じゃないんだがな。

 そう思いながらも弓を捨て、剣を構える。

 こっちに近づいてきた小男が居たので間合いを一気に詰め、すれ違い様に首をはねる。

 これで6人目か。あ、騎士も1人追加で倒した。あと2人だな。

 見るとその2人は武器を捨て、逃げようと一心不乱に走っていた。さっき倒した小男の棍棒を拾い、投げ斧の要領で投げつける。

 ぶん投げた棍棒は上手いこと後頭部を捉え、小男を1人倒す。

 さっき捨てた弓を拾い上げ、矢をつがえて、小男の足目掛けて放つ。

 狙い通りに矢は足を貫き、転んで矢を見る為に振り返った首を射抜いた。


 「つまらん」


 弓を放り投げ、剣を持っていた死体から鞘を奪って血を拭いた後剣を仕舞う。丁度ベルトをしてたから剣をベルトに差し込む。

 鞄からスティック羊羮を取り出しパッケージを剥いているとあの騎士がやって来た。


 「手助け感謝する。正直助かった。流石にあの数のゴブリンが相手では怪我をしていた可能性があったからな」


 おりょ?子供なのに危険な真似はするなとか説教垂れる訳じゃないのね。


 「別に、気にすることはない。こっちも下心があってやったことだしな」


 「む?どういう意味だ?」


 そう警戒しなさんなって。


 「この街で安くてそこそこイケる飯屋と安い宿屋を探しててな。それを聞きたかったんだ。何か心当たりあるか?」


 仕事の前にまずは今日の晩飯と寝床を確保しないとね。


 「…ふふっ。そう言う事か。わかった。すまないがまだ仕事が終わっていないからな。案内は仕事が終わってからでいいか?」


 「案内もか、すまんな。正直場所だけ言われても行ける気がしなかったから助かる」


 「いや。手助けしてもらったお礼だ。それくらいどうと言うことはない。17時に仕事が終わる。それまでこの辺で待っていてくれ」


 「わかった。17時だな」


 「では私は仕事に戻る。また後でな」


 「ああ、また後で」


 中々気持ちのいい奴だったな。これからもいい付き合いが出来そうだ。

 そう思いながらもスティック羊羮をかじる。うん。甘ウマ。

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