【凡人】
2人はファミレスに入り、也沙が店員に「ドリンクバー2つで」と注文している側から、三枝は待ちきれずにガサゴソと袋からAlternativeを取り出し開け始めた。也沙が「お前は子供か!」と突っ込むと、三枝は「てへっ」と言って舌をだし「昔からプレゼント貰っうと直ぐに開けたくなるんだよね~」と言った。也沙は「プレゼントじゃね~し!」とまた突っ込んだ。
三枝は話しを逸らそうと説明書を手に取り「何々……」と説明を見た途端「説明書読むの苦手なんだよね~」と言った。也沙は「属性と自分の守護神と聖杯の石、あと特殊効果くらい読んでおけば良いよ」と言った。三枝が「こんな書いてあるのに?」と言うと、也沙は「ボードが自動計算してくれるから、なんなら属性も読まなくて良いかも?」と言った。
三枝は「携帯とか説明書読まないけど使ってれば分かるしね、まぁ~ 弟に聞けば分かるでしょ」と言った。也沙が「でもママはいくら携帯の使い方教えても覚えないけど……」と言うと、三枝も「うちの親もだよ、昔っからそうなのかなぁ~」と言った。也沙は「老いですよ、老い」と言って笑った。
三枝は「こっちは?」と別売りのカードの袋を開ける。也沙は「特殊効果のカードはそれでしか手に入らないみたいよ」と言った。
三枝が「良いの入ってるかなぁ~」と袋からカードを取り出しテーブルの上に並べて行くと中身は★2つの幻獣と★3つの剣と盾、★4つの盾、★5つの聖杯のカードだった。
也沙が「聖杯は特殊効果のやつだよ、着いてる石がコインと一緒だと良いんだけど」と言うと、三枝は「どれどれ……」とコインを取り出し聖杯のカードと並べた。聖杯の石は緑色でコインの石は緑色だが聖杯の石より色が薄く見える。
三枝は「同じ緑だけど聖杯のが濃いよね?絵だからかなぁ~?」と言った。也沙は「カードに何て書いてある?説明書の裏に早見表があるから確認してみな」と言った。
三枝がカードを見て「エメラルドって書いてあるから……」と言って早見表に目を移し「8月は……」と確認すると8月の右には火炎(赤)、サードニクスと書いてあった。三枝は「サードニクスってことは駄目じゃん、同じ緑だから期待しちゃったよ」と言った。
也沙は「属性は? カードはクローバーのマークだけど……」と言った。三枝は「それも駄目っぽい、火炎(赤)って書いてあるもん」と不機嫌そうに言った。
也沙は「とりあえず剣にも盾にもなるカードだし、悪いカードじゃないと思うよ」と励ました。
三枝は「也沙は欲しいカードが2枚入ってたって言ってたよね?どんなのが出たの?」と言った。也沙は「守護神と聖杯のカードが……」と答えると、三枝が「石は?」と聞いた。也沙が「コインと一緒のが……」と答えると、三枝は「まさか属性も?」と聞いた。也沙が「うん……」と答えると、三枝は「ずり~ なぁ~」とふて腐れた。
也沙は「持っててもゲームで引けなかったら意味ないし、運次第で弱いカードでも勝てるのがこのゲームの楽しいとこみたいよ」と言った。三枝は「そんなカード1発で引き当てる様なヤツに運で勝てる気なんてしないわ」と呆れた様子で言った。
也沙はAlternativeから話題を変えて、三枝のご機嫌が回復したところで三枝とバイバイした。