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【舞台裏】

 ここまで説明すると津山は「それから私は、仮想空間の世界にのめり込んで行った、仮想空間の中では私が神であるかのごとく何でも思い通りに出来た、仮想空間を支配するうちに、現実世界でも同じ事を試してみたくなったのだ」と言った。


 也沙が「そんな事出来る訳が……」と言うと、津山は「いや、天願博士の研究が有れば現実世界を支配する事も可能になる!しかしそれには天願博士が邪魔だった。そんな時、天願博士の研究の成果が出たとの知らせを受けた私は……」と言った。


 也沙が「パパに何をしたの!?」と言うと、津山は「仮想空間で娘は元気に高校生活を送っていると、実用段階前だが天願博士には大変お世話になったので、博士が望むなら娘に会わせる事も可能だと言ったら、天願博士は2つ返事で話しに応じてくれました、それから博士を装置に繋いだ段階でシステム障害を起こし実験中の事故に見せかけて……」と言った。


 也沙が「パパを殺したの!?」と言うと、津山は「その予定だったのですが、天願博士は君と同じ植物人間に……」と言った。也沙が「あたしと同じ……… ?」と言うと、津山は「正確には天願博士は装置に繋がれた仮想空間でも意識が無いので同じとは言えませんが」と言った。


 それから津山は続けて「これで天願博士の研究を私が引き継げば、私の夢は実現するはずだった、まさか天願博士がシステムにセキュリティーを掛けていたなんて……」と言った。也沙は『さすがパパ!』と思っていると、津山が「セキュリティーの解除方法はいくら探しても見つからず諦めかけていた時、システムを調べていた神野博士から何度修正しても変更出来ないバグが見つかったとの報告があり、神野博士に調査をお願いした」と言った。也沙は『お兄ちゃん、何余計な事してんのよ!』と思った。


 津山は「神野博士の調査によると、バグは天願博士の事故の日からで、装置に繋がれた10名のデータが関係している事が判明、その報告を受け私はセキュリティーを解除するのに何か関係あるのではないかと仮定し、神野博士に更なる調査を依頼して解ったのが、バグでは無く全てを1つに集める事で1個のプログラムになるのではないかと言う事、それは装置に繋がれた本人の承諾無しには切り離せないとの事だった」と言った。


 也沙が「まさかそれを集めるのが……」と言うと、津山は「そう、10名を1度に集め本人の承諾をまとめて得られるこの大会を開催しました」と言った。也沙が「そんな承諾なんてした覚え……」と言うと、津山は「Alternative挑戦者募集には、幸運に掛けてでは無く、幸運を掛けて10億円にチャレンジとなっていませんでしたか?」と言った。


 也沙が「そんな詐欺みたいな…… それに何で運なんて!?」と言うと、津山は「その運こそがバグとされていた物に大きく関わっていたからです、貴方は普通では考えられないくらい運が良いと思った事は有りませんか?」と言った。也沙には、思い当たる事が幾つもあった。


 津山は「貴方達はこの仮想空間において、そのバグとされていた物の恩恵を受けて来た、まさかそれを切り離す事であんな事になるとは思いませんでしたが……」と言った。也沙が「あんな事って?」と言うと、津山は「予選後、決勝で負けた2人が事故で亡くなったのは偶然では無いでしょう」と言った。


 也沙が「それじゃ本戦の参加者全員……」と言うと、津山は「貴方を含め、参加者全員も運が無くなれば同じ道をたどる事になるかと」と言った。也沙が「さっきから何なの! この仮想空間、仮想空間って! それにこんな試合無効よ!」と言うと、津山は「これは失礼、まだ説明していませんでしたが、貴方は現実世界において死んだも同然、この仮想空間で死んだ所で似た様な物でしょう」と言った。


 也沙が「死んだも同然?」と言うと、津山博士は「貴方は現実の世界では植物人間で、私の研究した装置に繋がれこの仮想空間に存在しているのです」と言った。也沙が「あたしが植物人間? ここが仮想空間?」と言って呆然としていると、津山は「かなりショックだった様ですね、更に残念なお知らせなのですが、貴方はこの試合を放棄出来ない」と言った。


 也沙が「はぁ? 何を……」と言うと、津山は「本戦が始まる前に配られた約束事項に同意されましたよね? その⑥にコインを投げた時点で挑戦成立とし、途中放棄は出来ませんと書いて有りませんでしたか?」と言った。也沙は「また詐欺みたいな! ってか何なのその口調! いちいち腹立つ! あたしが勝てば良いんでしょ! 勝てば! 鈴々絶対勝つわよ!」と言った。鈴々は「あんなやつケチョンケチョンにしてやるのだ!」と言った。


 すると津山が「また更に残念なお知らせなのですが……」と言うと、也沙は「今度は何なのよ!」と言った。津山は「この仮想空間で私は神の様な存在だと言ったはずです、私のカードは最初から最強の組み合わせが出る様にプログラムされています」と言った。


 也沙が「そんなのインチキじゃない……」と言って愕然としていると、津山は「さぁ神野君、早くattack or defenseと言いなさい!」と言った。

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