【エントリー】
2週間後、週末の2日を使ってAlternative大会参加者の応募審査が幕張メッセで行われた。
応募者は参加申し込みをする際、係員にコインを提示するとコインを機械で読みとり、コインに蓄積されたこれまでの戦績が表示される仕組みになっていた。受付には沢山の行列ができ、也沙も2時間ほど列び、やっと順番が来た。
コインを出すと「也ちゃん」と声を掛けられ、声の主を探すとそこには神野の姿があった。也沙が「お兄ちゃんも来てたの」と言うと、神野は「開発担当者としてね」と言った。
神野は機械を覗き込むと「結構な回数やってるのに、本当に負け知らずなんだ」と驚いた。係員の人も「これなら間違いなくシードになりますよ」と言った。
係員からの説明があり、勝率上位104名が予選参加者となり、上位8名は予選準決勝からのシードにて翌週発売の週刊少年漫画雑誌にて発表されるとの事だった。
翌週、その週刊少年漫画雑誌の発売日の朝、也沙が教室に入ると「これお前だよな」とその雑誌を持って小田島が声を掛けて来た。也沙は「も~ 発表されてるの?」と雑誌を見て「審査通過したんだ」と言った。
小田島が「優勝したらご馳走してくれよ」と言うと、也沙は「優勝なんて無理無理、でも本戦まで行きたいなぁ~」と言った。三枝は「だいたい何で也沙があんたにご馳走しなきゃいけないのよ!」と言った。
三枝が「でも何で大会出る気になったの? あんなに嫌がってたのに」と聞くと、也沙は「本戦まで行けば賞金出るって言うし、少しでもママの役に立てればなと思って」と言った。
三枝が「そっか、お父さんも入院したままだもんね……」と言うと、小田島が「何、何、何の話し?」と言った。三枝と也沙は2人揃って「あんたには関係ない!」と言った。
その日の夕方に主催者側から也沙の携帯に連絡があり、A~ Hの8ブロックで予選を行い優勝者が本戦へ、也沙はDブロックのシードで準決勝からの出場なので、今週の日曜13時までに新宿のアルタスタジオに来て下さいとの事だった。
也沙が「分かりました、宜しくお願いします」と言って電話を切ると、鈴々が「也沙頑張るのだ、鈴々も頑張るのだ」と言った。也沙は「うん、一緒にがんばろ」と言った。




