【決意】
也沙が家に帰ると中は真っ暗で静まりかえっていた。夜も遅くなっていたので也沙は急いで風呂に入ると、直ぐにベッドに潜り込んだ。
この時間は何時も家に独りのはずが、也沙は急に淋しくなり「このままずっと独りになっちゃったら……」とつぶやくと涙が溢れてきた。鈴々が「ママさんは大丈夫なのだ、也沙が泣くと鈴々も悲しくなるのだ」と言って泣き始めた。
也沙が「ママが退院しても今の生活が変わらなきゃ、また何時倒れるか……」と言うと、鈴々は「ママさんのお手伝いするのだ」と言った。也沙が「鈴々が手伝えることなんて……」と言うと、鈴々は「鈴々が毎日也沙を起こすのだ」と言った。
也沙が「そっか、それなら鈴々も出来るね」と言うと、鈴々は「也沙も也沙の出来る事をすれば良いのだ」と言った。也沙は「そうだね、明日から早起きして朝ご飯作るかぁ~」と言った。
それから也沙が「もっと家にお金があったらなぁ~」と言うと、鈴々は「お金無いのか?」と聞いた。也沙は「無い訳じゃないけど、いっぱいあればママがあんなに仕事しなくて済むから……」と言った。
鈴々が「お金はどうやって作るのだ? 鈴々が作ってやるのだ」と言うと、也沙は「お金は働いてもらう物なんだよ」と言った。鈴々は「じゃぁ~ 鈴々が働くのだ」と言った。也沙は「鈴々には無理だよ~ でもママのためにありがとね」と言った。
それから也沙が「やっぱAlternativeの大会出てみようかなぁ~」とつぶやく様に言うと、鈴々は「学校で小田島が話してたやつか? 大会に出るといっぱいお金もらえるのか?」と聞いた。
也沙は「本戦で優勝出来ればね、優勝出来なくても本戦まで行けば賞金出るって言ってたし」と言った。鈴々は「大会出るのだ、優勝していっぱいお金もらうのだ」と言った。也沙が「ほいじゃぁ~ いっちょ頑張るかぁ~」と言うと、鈴々は「いっぱい、いっぱい頑張るのだ~」と言った。




