【原因】
午後の授業になり鈴々は「あの飲み物は何なのだ?」と話し掛けるが、それを無視して也沙は『何で今日は教室で鈴々が見えるんだろ? 何で廊下だと見えなくなるんだろ?』と考えていた。
『家でも部屋だけしか鈴々が見えないのは何故?昨日と今日で何か違うこと……』と也沙は考えてみる。也沙は『昨日と違うことと言ったら今日は学校にAlternativeを持って来た事くらいか』と思った。
也沙は『部屋で見えるのはAlternativeが置いてあるから、廊下で見えなかったのはAlternativeが…… そうか!鈴々が現れたのもAlternativeを買った日からだ!』と考えた。也沙は『帰る時に鈴々が見えたらAlternativeが原因に間違い無いわね』と思った。
放課後、也沙は鞄を持って廊下へ出て後ろを確認すると、そこには鈴々が見える。也沙は『やっぱり』と思った。
三枝が「今日はどうする?何処か寄ってく?」と聞いた。也沙は「今日は真っ直ぐ帰る」と言って2人は途中で別れた。
三枝と別れて少し歩いてから也沙は立ち止まると「鈴々が何で見える様になったか分かったよ」と鈴々に話し掛けた。鈴々は「やっと話してくれたのだ、また也沙に無視されて悲しかったのだ」と目をうるうるさせて言った。
也沙は「あれは無視したんじゃなくて、鈴々は皆んなには見えないみたいだから、皆んなの前では鈴々と話せないの」と説明した。鈴々は「何で鈴々が皆んなに見えないと、也沙は鈴々と話せないのだ?」と言った。
也沙は「だから、あたしが1人で話してたらバカみたいに見えるでしょ!」と言った。鈴々が「皆んな鈴々が見えると良いのに……」と淋しそうに言うと、也沙は「それはそれで…… とにかくこうして2人きりの時しか話せないの! 分かった?」と言った。
鈴々は「分かったのだ……」としぶしぶ言ってから「それであの赤い三角の様な味の飲み物は何なのだ」と言った。也沙は『本当に分かったのかなぁ……』と思いながら「美味しかったでしょ、いちご牛乳って言うんだよ」と教えた。鈴々はいちご牛乳を思い出しながら「甘くて美味しいのだ~」と言った。
也沙が「Alternativeで勝てたのも鈴々のおかげでしょ? だからご褒美」と言った。鈴々は「鈴々のおかげなのだ、次も頑張るのだ」と言った。
その時、手を繋いだ親子が通り掛り、子供が「あのお姉ちゃん誰と話してるの?」と也沙を指差しながら母親に聞いた。母親は「指差さないの!」と言って也沙をチラっと見ると、子供の手を引き足早に通り過ぎていった。也沙は恥ずかしくなり、その場を逃げる様に走り去った。




