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プロローグ
気が付いたときには自分はこの世に生まれていた。
いつから自分という存在がこの世の中に存在していたのかは定かではない。自分という存在を自分が認識したときにはきっと自分が生まれてから時間はそれなりに経っていたと思う。
自分は身分を証明できるものは何も持っていない。名前も自分の名前で呼んでくれる人はあいつ以外に誰もない。今のところ、自分という人間で自分の名前で自分を発信できるものは鳥のマークのSNSだけだ。世の中に「自分という人間がいる」ということを知っているのは自分とあいつ以外いないかもしれない。しかし、自分はこの世で生きている。
誰か俺の名前を呼んでくれ。