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ONE & TWO

 え?福富?仁の苗字は佐藤じゃ?


 「…………?」


 訳がわからなくて混乱している俺を見て悠雅はため息をついた。


 「まだ気づかないのか……。福富はお前を騙して倒そうとしたんだよ。」


 つまり……。

 佐藤は嘘だったのか。

 騙されてたってか?

 なんか……いらつくな。


 「くくく、そうだ。騙してたんだよ。でも初撃は避けられちまったし。仕方ねえ、二人まとめて潰すか。」


 「ん?できんの?俺は新と違って馬鹿じゃないぜ?」


 ん?俺も馬鹿じゃないけど!


 「あん?口ではなんとでも言えんだよ。さっさとこいよ。」


 「ああ、そうだな。んじゃ、行くよ。」


 悠雅が話し終わった途端、さっきのように地面から土でできた槍が出現した。

 が、悠雅はわかっていたかのように地面に剣を刺し槍を封じた。

 そして俺のいる方向に振り返った。


 「おーけー!」


 それは中学時代、俺たちが悠雅の親父、悠二(ゆうじ)さんに剣術を学んでいた時の合図だった。

 二人で組んで悠二さんに一発与えるというだけのもの。

 しかしなかなか当たらない。

 そこで考えたのがこの合図だ。


 俺は一直線に仁に向かって走り出した。

 仁はすかさず身を守るために土で壁を作った。


 「お前が馬鹿だったみたいだな。予想通りの動きで助かる。」


 「なっ!」


 後ろから声がするんだ。そりゃびびるさ。

 仁が驚きながら振り向いたと同時に、悠雅が剣を振りかざした。


 決まったか?

 土の壁を剣で壊し悠雅と仁の様子を確認した。


 「あっぶねーな」


 おいおいまじかよ。

 完全に隙を突いた悠雅の剣は仁の両手剣にしっかりと防がれていた。


 「おお。かっこいいな。背が高いお前にぴったりの武器だと思うよ。」


 「うるせーんだよぉぉぉ!!」


 落ち着きと余裕のある悠雅の口調に切れた仁は体を捻り、剣と体を同時に回転させ悠雅目掛けて攻撃してきた。

 さらに両手で持っていた剣を右手だけに持ち変え、左手で土の槍を放た。


 「「うおおおおお」」


 キーーーン!という音が響く。


 剣撃は悠雅が抑え、槍は俺が剣で真っ二つに切り裂いた。


 「確かにお前は俺たちより強いよ。でもこっちは二人なんだ。見誤ったな。」


 「あ?まだ負けてな……」


 まだ負けてない。

 そう言おうとしたんだろう。

 が、仁の剣撃を抑えていた悠雅がしゃがんだ途端、仁がバランスを崩して倒れそうになった。


 「今だ!」


 「わかってる!」


 返事をしたと同時に俺は仁に剣で攻撃した。


 「これで」「終わりだぁぁ!」


 俺の剣撃をもろにくらった仁は森の木にぶつかり気を失った。


 「あ!!?!!?」


 剣で攻撃したんだ。

 もしかして……

 「死んで……」


 「はあ、何も聞いてないかったのか?桑原先生が言ってただろ?この訓練場で生徒が死ぬと困るのからって防御の念が生徒にも自動でかけられるって。ただし痛みや反動はそのまま受けるから気をつけろってな。」


 あれ?そうだっけか?


 「それにしても悠雅、よく俺の場所に来たよな。」


 ずっと気になってたんだよな。


 「ああ、それは心配で後をつ?」


 ぐわん!という感じで吹っ飛ぶ悠雅。


 なっ!何が起こった?


 「大丈夫か悠雅!」


 「馬鹿!しゃがめ新!」


 ぐぁっっ……。

 いってえな。銃……か。

 ふと一人の人物が頭をよぎった。

 俺の知る限り、このクラスには銃を使ってる奴は一人しかいない。


 「なあ、これは……」


 「ああ。衣玖だ。」

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