時間
雨が上がり、その場に残った湿った空気を感じながら、
銀髪の老人は何を語るのか。
私はミスターベッケラー。優しげな空を眺めるのが好きな老いぼれである。
なんだか、君にとっては久しぶりになってしまったようだね。
はっはっはすまない。
私にしてみれば、前の頁の後、
直ぐ君と話をしているような気がしてしまってね。
そうだな……。
今日は時間について話をしようか。
君は【時間】とは、
どういうものだと思うだろうか。
それは。
元々世界に平等に存在する物質だと思うかね。
それとも星々と同じように把握されたモノだと思うかね。
時間というものは電子や原子、分子、という物でもなく、
星々のように見つけられたモノでもない。
時間とは、人間の中に共通的に刷り込まれた、
基本的で重要な概念の一つ。
という解釈がある。
だが、
私の考える捉え方の一つとしては、
時間とは、命の焔が灯ってから死して朽ちるまでの期間を、
世界が導くために感覚として浸透させたものだとも考えるのだよ。
なかなか難しいことを言ってしまった気がするが……
はっはっはっは。
次回はもっと難しくなりそうなので勘弁していただけるありがたい。
おっと、
紅茶の時間が来てしまったようだ。
次回からは未来や過去について話をしてみようかと思っているので、
また来てくれると嬉しいね。
嗚呼、後、体調を崩さないようにね。
それでは、また君に逢える日を楽しみにしているよ。
ミスターベッケラーより。