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北の国の紅い蜘蛛44

そのうち一番体の大きい、体毛のまっ白な猿がニンマリと笑った。

「コゾウども、仲良く分けようぜ」


猿たちは悦びの声をあげた。

「ヤッッッホウ!」

「寺の坊主なんか怖かねぇ!」

「さすがクビダワラ様よ!」


少年は片足を無くしたまま、這ってでも逃げようとした。

だが、そんなものは無駄に決まっていた。

クビダワラと呼ばれた白猿が、少年の足を無造作に掴んだ。

そして、左の腕を大きな一口で食い千切った。


少年は苦痛と絶望に泣き叫ぼうとしたが、無理だった。

口から手を突っ込まれ、舌を引きずり出されていて、声も出せなかった。


口内に吹き出す血に溺れそうになりながら、残った片足と右腕も喰い散らかされた。


毛むくじゃらの指を目にねじ込まれたが、抗うための手すら既に奪われていた。


痛みのあまりに胴を仰け反らせると、腹を噛まれ内臓までも引っ張られ……


少年は意識を失った。



意識を取り戻したとき、少年は宙に浮かんでいるような感覚に身を任せていた。

俺は死んだんだな、と理解できた。

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