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北の国の紅い蜘蛛32

百重は毛糸の帽子を脱いでいた。

そして両側頭部と後頭部に、六つの目が開いていた。これなら蜘蛛がどこから現れようと、発見できる。

(全方向、隙なしか…)

百重はこの寒さに全く影響されていなかった。まず間違いなく耐寒性に優れた体をしているのではなく、瞳術と因果関係があるのだろう。


百眼ほどの邪鬼がこの国に住まえば、天下を穫ってしまうかもしれない。国中の退魔師(エクソシスト)と邪鬼が力を合わせでもしない限り、百重1人にさえ打ち勝てないだろう。


(裏を返せば、紅い蜘蛛は何としても退治しなければならない)

紅い蜘蛛の力量は少なく見積もっても百重の互角かそれ以上。梅岩たちが倒さなければ、他に抗える者はいないだろう。

しかし勝てるかどうかはわからなかった。

万全の準備があればまだしも、今日の梅岩は殆ど役に立てまい。銃なし符なし依代(よりしろ)なしのハンディは大きすぎる。最大の秘技である縛妖陣は障害なく使えることが、唯一の存在意義となるだろう。

実質的に殆ど一対一。ろくに後方支援を与えてやれない百重が敗れれば、梅岩たちにも勝ち筋が消える。

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