表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/67

北の国の紅い蜘蛛22

客間に足を踏み入れた梅岩は、客人を見るなり固まった。

座敷のちゃぶ台のそばで座布団に正座していたのは、スキンヘッドの若者だった。

少年のような華奢な体つきの上には、剃髪するには勿体無いほど整った顔が乗っていた。上品なルックスと、きっちりキメたスーツがよく映えていたが、驚嘆すべくは容姿の端正さと頭のギャップではなかった。


それは人間ではなかった。

見た目には人間以外の何者でもない客からは、秘められた(あやかし)の気が感じられた。

普通に考えて、この男が帝家の門をくぐれる道理はない。


「こんにちは。青麗様の約束により遣わされました、百重灯(ももえあかり)と申します。どうぞ、よしなに」

澄んだ低音で、男は丁寧に挨拶した。

人化の法を得ている邪鬼は少なくないが、これほど上手に演じることのできるものは一部の例外を除けばありえない。


梅岩は反射的に上着の両方の内ポケットに手を入れた。まさか屋敷内で敵にかち合うことは想定していなかったので、銃を携帯していなかったことさえ失念していた。


「まて…百重…そういうことか?」

梅岩はポケットから手を抜いた。ようやく理解が状況に追いついてきた。そもそもこの男は敵としてではなく、助っ人として屋敷に入ったのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ