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北の国の紅い蜘蛛12

梅岩が助っ人を借りる代償は、予想の斜め上にあるものだった。


話は後付けで青麗の口から語られた事から始まる。

表向きは『超凄腕の霊能者』という触れ込みで人間に成りすまして暮らしている狐の女王の元に、ある相談者が訪れた。子連れの夫婦は「スドウ」と名乗った。

一人息子の周りに、おかしな現象が頻発するという。

就寝中にに何かにかじられたような傷跡がつけられたり、誰もいないはずの空間に向かって息子が話しかけたりしているという。

青麗には相談を聞くまでもなくわかっていた。その子は霊を見て話すことが出来、憑かれやすい性質を持っていることを。両親には何も感じなかったが、息子からだけ人間にしてはかなり強いものを感じた。

素人にこの子はとても育てられないと判断した青麗は、除霊するふりをして息子に憑いていたものを喰らい尽くした後、とある山寺を紹介してやった。両親はまるで捨てるように躊躇とまどい無く息子を寺に預けた。



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