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喋る犬と宇宙外交官2nd  作者: メロ
再び大戦争
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再び大戦争③

 その獣は、鼾をかいて寝ている。でも、ただ寝ているだけなら、問題にならない。青い光が漏れている場所の目の前に寝ている。光が漏れている場所は、洞窟のようになっていて、そこから途切れることなく光が出続けている。

 僕は、空中を浮遊すると、そろそろを獣の上を飛び、洞窟の前に来た。着地のさい、ジャリという音がしたけど、獣は起きていないようだった。

 洞窟の奥を見ると、蜘蛛の糸の様なものが張り巡らされていて、その中心にサナギがあった。青い光はそこから発せられている。

 僕は、手に取った石ころを、鋭く尖ったナイフに変形させ、丁寧にサナギを引き裂いた。その奥に部屋があって、小さな影があった。

「コルーパ」

 僕は呼びかける。

 影がゆっくりと振り向いた。それは、久しぶりに見るであろう、コルーパそのものだった。

「来ると思っていたよ」コルーパが満足そうな声で言う。

「ああ、それよりも、なんとかしないといけない事がある」

「何?」

「洞窟の目の前に獣がいる」

 僕の奥を見たコルーパの表情が固まったのがわかった。

「赤い毛の?」

「うん」

「ゴリラみたいな?」

「うん」

「ライオンみたいな?」

「うん……」

「目が金色の?」

「……」

 僕はゆっくりと振り返った。

 金色の巨大な目が僕たちを見つめていた。

「なんだと……ッ」

 僕はその一言しか言えなかった。

 獣は洞窟をたたきつぶした。かろうじて避けた僕は、左側から、洞窟の壁を崩しながら僕に迫ってきた巨大な手に吹き飛ばされた。

 コルーパが危険を察知して、吹き飛んでいく岩の上を、まるで早送りしているあのように飛んできた。僕に体当たりすると、くるんと一回転して着地した。こいつ、ホントに犬かよ。コルーパに体当たりされた僕は、獣の手にぺしゃんこにされるのを回避できた。地面に着地して、身構える。

 ターゲットを仕留め損ねた獣は吠えながら、両手を地面に振り下ろした。その衝撃で地面が岩石となって、僕に迫ってくる。僕は、それらをかろうじて避けると、突然、巨大な何かに体を掴まれた。

 そのまま、ぐいっと引き寄せられた。獣に捕まってしまった僕は、身動きがとれない。金色の目に睨まれている。

 僕は餌じゃないぞ。

 獣が手に力を込めたのか、体がミシミシ音を立てている。息ができない。苦しい。石の力を使おうにも、足も手も掴まれていて、動かす事ができない。

「うおっ……コルーパ……ッ」

 そのとき、獣が僕を握りしめたまま、コルーパに向かって両腕を振り下ろした。地面に叩きつけられた僕。コルーパはかろうじて避けるも、衝撃波に吹き飛ばされた。

 僕はその隙を見逃さなかった、地面に打ち付けられた瞬間に岩を針のように鋭くした。針は、獣の腕に突き刺さる。

 獣はうなり声を上げると、僕を放した。

「コルーパ大丈夫か!」

 息を荒げながら僕は吹き飛ばされたコルーパに聞いた。

「ああ、なんとか、な」

 よたよたとコルーパが寄ってくる。

 獣は、餌に抵抗されて、相当頭に来ているらしい。目が金色から赤色に変わっていた。

「正面から太刀打ちはできないな」

「ドラゴンよりましさ」僕は言う。

 獣が、息を荒げながら突進してきた。

「やれるかい、天馬」

「なんとかな。だいぶ落ち着いた」

 深呼吸する。すーッはーッ。

 身構えた。獣は腕を振り上げ、飛びかかってくる。僕は、一瞬後ろに飛び退いて、獣が空振りしたところで、獣に飛びかかった。背中に乗り、前回り風に背中の上を転がると、獣の後ろに立った。そして、コルーパは獣に威嚇している。

 獣が、僕の方に向く事はない。

 僕は、スカスカになった、獣の腹を目がけて、また針を作り出した。ただ、誤算があった。それは

 獣の腹が頑丈だった事。

 あたった衝撃で獣が気づいちゃったって事。

 獣は、僕の方を振り向くと同時に、巨大な手で僕を吹き飛ばした。火山に向かって、突っ込んだ。ガラガラという音を立てて、岩が崩れる。

 僕はそこから煮えたぎる溶岩を見た。

 獣がこちらに向かってくる。僕は、くるりと体を軸にして回って避けた。が、思惑通りに行かなかった、獣は僕の少し前で急に一歩分後ろに飛び退き、僕に向かってまた突っ込んできた。

 獣は、巨大な手で体を火山の斜面に押しつけてきた。また身動きがとれなくなった。でも、幸い、地面にはついている。僕は、地面を棒状にして、獣を中に突き飛ばした。空中に浮いた獣をオーバーヘッドキックの要領で溶岩の中に蹴り入れた。

 苦しもがく獣の姿を見る気は毛頭無い。僕は、斜面を滑るようにして降りると、コルーパの元へ行った。


いつも読んでいただいてありがとうございます。

 

戦闘シーンの「~た」は改善できなくて。。。

 

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