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喋る犬と宇宙外交官2nd  作者: メロ
再び大戦争
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再び大戦争①


 僕は、ここがあの世なのか、とぼーっとその世界を眺めていると、突然後ろから方をたたかれた。驚いて振り向くと、僕と大して身長の変わらないおじいさんがいた。おじいさんは、よぼよぼの口をゆっくりと開いた。

「あなたからは神の力を感じる」

「はい?」僕は思わず聞き返した。

 すると、おじいさんは僕の右腕を掴んだ。いきなりだったから、思わずビクッと体が反応した。おじいさんは、僕の右手をじっくりと眺めると、顔を上げた。

「神の力を感じる」

 おじいさんはそう繰り返すだけだった。

 神の力とは、「石」の事だと思う。その力は神を超えるかもしれないけど。

「あなたは生きてますか?死んでますか?」

 相変わらず、不思議な事を聞く老人だ、と僕は思った。僕は生きてるんだろうか。最終兵器との戦いであの空間へ飛ばされたんだ。死んでるのかもしれない。

「じゃあ、あなたは空野天馬じゃない」

 と、老人は言うと、反対方向へ向かって歩き始めた。

「あ、待って!」

 老人はゆっくりと振り向くと、僕に諭すように言った。

「あなたは天馬じゃない。なら用はありません」

「僕は空野天馬です!」と、僕は大きな声を出した。

「同姓同名の人ですかね?」と老人は眉をつり上げた。

 この老人は誰を捜しているのだろうか。気がつけば老人は消えていた。

 しかし、あの世に来たはいいけど、どうやってコルーパを見つけるのか。とりあえず、僕は石の使い方を思い出すために、飛んでみた。前みたいに、すっと空中に浮く事はできなかったけど、なんとか飛ぶ事だけはできた。下に降りると、目の前には老人がいた。

「あなたが天馬だったんですね」老人は、にっこりと笑うと言った。

「ええ、まあ」

 老人は僕の右手を見ると言った。

「事情は分かってます。私はコルーパの魂を持っています」

「えっ」僕は思わず声を上げた。

 その反応を楽しむように老人は続けた。

「私はあなたにコルーパの魂を渡すのが仕事です」老人はまだ状況がイマイチ理解できない僕に向かって微笑んだ。「私はコルーパの魂をひょんな事から手に入れました。その魂をコルーパに渡そうと思っても渡せない。コルーパはしょうがなく魂を取り戻す方法を見つけるためにどこかへ行きました。しかし、どうやってもこの身から引きはがす事のできなかった魂が、あなたの神の力に共鳴して震えています」

 そういうと、老人は胸に手を当てた。すると、青い火の塊が出てきた。その魂は、僕の右手に吸い込まれるように消えていった。

「あなたはコルーパを見つけてその魂を返せばいい」老人は頭を下げた。「私が頼まれた仕事はこれで終わりです」

「あ、待って」僕は慌てて老人に声をかけた。「その仕事、誰に頼まれたんです?」

「コルーパです。奴は私が魂を手に入れてしまったときに、天馬という少年に会えと言ったんです。でも、あなたは生きている。どうやって渡させるつもりだったのやら」老人はむふふと口元を緩めると、「奴はホントにおしゃべりですね。真っ先に自分の名前を名乗りましたよ。で、延々あなたの事を話してましたよ」

 老人はどこかへ消えてしまった。しかし、意外な展開だった、と僕はまだ興奮冷めやらぬ気持でいた。


 僕は、ひたすら歩いた。延々と続く草原を歩き続けた。飛んだ方がいいかもしれないけど、僕は生きている人間だ。目立ってはいけない気がする。

 しばらく歩くと、草原が途絶えた。代わりに、目の前は崖に変わっていた。そして、その向こうには森、地獄のような火山がある。

 はぁ、とため息をついていると、後ろから、おーいと僕を呼ぶ声がした。さっきの老人の声だった。振り向くと、走ってこっちに向かってきていた。

「そこから先は、試練の世界ですよ」

「試練の世界?」

「ええ、天国にいても、まったりと暮らしたい者、修行に励む者など、たくさんいますからね。そして、天国にも未開の地というものはあります。それがこの先というわけです。だから、この草原と同じだと思ってはいけませんよ」老人が丁寧に教えてくれる。どうやらコルーパはこっちに行ったらしい。

 僕は、ありがとうございますと礼を言って、崖を少しずつ降りていった。

 激しい崖だった。僕は、手をかけるたび、足を確認し、足を下ろすたびに手元を確認した。そうやってようやく真ん中あたりについたときだった。それでも、まだまだ下までものすごい高さだった。

 僕がおそるおそる下を見たときだった。何かが吠える音と共に、空気が揺れた。そして、ものすごい風圧が体に当たった後、何か巨大なものが僕の上の崖に叩きつけられた。

 バガンという激しい音がして、岩がいくつも落ちてきた。僕は、片手を放し、その反動で円を描くように回転し、離れた岩に足をかけた。そのまま離した手で下の岩をつかみ、足ともう一方の手を離して岩をよけた。

 僕は、何が起こったのかまったく分からなかった。そのまま『何か』の方を見た。思わずため息が出た。それはドラゴンだった。


読んでいただいてありがとうございます。

現在、同時に二つのものを書いていて、(アイデア浮かんで来ちゃったので^^;)少し、表現力が乏しい場面があると思います。

例えば、僕の場合「~た。」になりやすいとか。

アドバイス、感想の方、よろしくお願いします。

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