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新章

前作、喋る犬と宇宙外交官の続編となっております。

今作もまた短いので、サクッと読めると思います。

 僕は空間を漂っていた。ひたすら無の中を漂っていた。そこに時間はなかった。だから、全てが一瞬で全てが永遠だった。僕は何も感じなかったし、何も言わなかった。腹を空かせる事もなかったんだ、あのときまでは。

 突然、時間が流れ出した。僕は息を吹き返した。そして、何があったのか、全てを思い出した。自分は全てを失ったのだ、と。時間が流れた事は孤独を意味していた。僕一人だけが、この空間に漂っていた。自分が死ぬまでそうだと思った。飢えで死ぬのか・・・・・・。あるいは、と思ったとき、僕は「手」に掴まれて、この空間から引っ張り出された。

「ぶはあぁっ!」

 僕は、放り投げられて、真っ白な空間の上に仰向けに転がった。重力を実感して、両手で自分の体を触る。

「生きてる・・・・・・」

「そんなに不思議なのかね?」と、唐突に声が聞こえた。

 この声、知ってる。

「首相・・・・・・」僕は声が聞こえた方に目を向ける。そこには紛れもなくサイザンフ星首相、バンバルジが立っていた。相変わらず、青い目。首相というだけあって貫禄がある。そして、その向こうに目を向けると、固まった犬――コルーパがいた。

「状況を理解できるかね?」

「いや、全然わかんないです」と僕は首を振った。

 首相が手を差し出す。僕はその手に掴まって立ち上がった。

「状況を説明してる暇はない。まずは君の中の石の力を復活させる」

 と、淡々と語る首相の横で、えっと僕は声を上げた。

「その石の力の一部を使ってコルーパをあの世から引っ張り出して欲しい」

 はぁ、と僕は返事をした。だけど、どうすればいいんだろうか。と、思っていると、首相は僕の右手を掴んだ。

「君が感を取り戻している時間はない。直接あの世へ送るから、なんとかして帰ってきてくれ」と首相は早口に言った。

 『なんとか』の部分が非常に気になったけど、どうやら切羽詰まった状況らしいし、半強制的にあの世へ連れて行かれるようだ。

「君は生きている人間だ。あの世にいてはいけない存在。だから、早めに帰ってきて欲しい」

「はい」もう、僕はそれしか言えなかった。

 首相は、いくよ――と言うと、力を使った。すると、僕の右手はバシッという音と共に青く光った。そして、あの空間から引っ張り出されたときのような感覚と共に飛ばされた。 僕は空と草を交互にぐるぐると見ながら、投げ出された。ぼんやりと空を仰ぐ。草がクッションになってくれて、さほどは痛くなかったけど、背中が打ち付けられたときに、うって変な声が出た。

 のろのろと立ち上がると、周りを見渡す。ここがあの世か・・・・・・。

 僕は広大な草地の向こうに見える、山や崖、そしてピカピカと光る雷を見た。

「大変な事になったなぁ・・・・・・」


やってまいりました、2nd。

ブログの方と平行して載せていきます。

 

是非とも、感想よろしくお願いします。

アドバイスは、今後の執筆活動の参考にさせていただきます。

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