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冒険者○×¥の魔物覚書  作者: 幸壱


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スライム

 今日はスライムについて書き記そうと思う。

そう、魔物の中で一番弱く身近なアレだ。


 街や村の外に出れば、スイカ位の大きさのスライムが跳ねていたり、転がっているのを見たことがあるのではないだろうか。

それが彼らの移動手段であり、速度は大人が歩くくらいである。本気で移動すれば、大人が走るより速く動くと言うがそれを目撃する事は少ないであろう。


 大きさは、先に記述した通りスイカ大が一般的であるが大小様々なスライムが発見されている。

 小さいものでよく見かけるのは、カボチャ大のスライムであるだろう。スライムが五匹も居れば、一匹はカボチャ大のスライムと言われている。

また、旅芸人が手のひら大のスライムと芸をしているのも見たことがある。

 大きいスライムは、発見され次第討伐対象となるので一般的にお目にかかることは無いと願いたい。

 討伐対象に指定される理由となった巨大スライムは、戦争で占拠された街の下水道に住んでいたと思われる個体だ。

当時、町を占拠した側には下水道の知識がなく放棄された下水道に存在が忘れ去られるまで潜んでいたスライムは家をニ、三戸飲み込んでも余る大きさだったと記録されている。

突如、町中に現れたスライムはその巨体で暴れまわり、その下にあるものは物や生物関係なく押しつぶしていった。

その街に駐留していた軍が討伐に当たったが、一般兵が持つ刃物では巨大スライムに傷がつけられず、避難に徹する事となる。

城壁に保存されていた攻城兵器によって討伐はされたが、街の一区画は壊滅状態で人的被害も多くスライムも魔物なのだと知らしめる事件となった。

 他にも、安全なはずの沼で薬草を取っていた冒険者が行方不明になった事件が沼に潜んだ巨大スライムの仕業だったりと巨大スライムは人類にとっても脅威なのだ。


 次にスライムの食性についてだが、何でも食べる。

スライムがその場で動かないでいるか、ゆっくりと移動しているのを見たことはあるだろうか?

それは、スライムが食事中の合図だ。近づいて観察してみれば消化中の物が見えるだろう。

そこら辺の雑草や熟して落ちた果実、土や石、朽ちた骸、果ては糞まで様々なものを確認した。


 スライムは通常半透明な水色の体色だが、体内に取り込んだ物を溶かし切り吸収の段階になると体色が変わる。

取り込んだものによって色や性質が変わるらしく、植物は緑で香りもする、石は灰色になり若干硬くなり、肉だと赤くなり攻撃的になる。

色や性質は時間が経てば元に戻るが、素材採取の時は注意が必要だ。


 スライムは我々の生活にも利用されている。

最初の頃は、穴を掘って全てのゴミとスライムを一緒に入れていたが、処理が追いつかずにネズミやゴキブリが大繁殖し、大変な事態になり分別処理へ変更された。ちなみに、下水道の巨大スライム発生前である。

 分別処理になってもスライムに依存している物が糞尿処理である。

下水道の巨大スライムの件から、最低でも年一回の点検が必要だが、悪臭や汚染から解放され疫病も減ったらしい。

農村部でも、処理に困り中途半端な知識で堆肥として使用し、未発酵や発酵不足で根腐れを起こし不作になる事が定期的にあったのでスライム処理が広められた。

また、スライムは肥料になるようで、特に糞尿処理のスライムが茶色に変わっているときが少し臭いが肥料にぴったりらしい。


 スライムは肥料となるだけではない。

スライムの体液は魔法薬の効果を少しだけ上げたり、錬金素材して優秀らしく常時買取り素材だ。

スライムの表皮は乾燥させ砕いて粉末にし、耐水塗料の原料となるようでこちらも常時買取素材となっている。

初心者冒険者の金稼ぎとしては、討伐報酬と素材二つとなかなかおいしいので覚えておくといい。


 スライムを倒すのは簡単だ。

剣や槍等の刃物で表皮を突き刺してやればいい。

もっと簡単なのは火で燃やす事だが、当然燃えた部分は素材にならないし通常のスライムに対しては過剰すぎる。


 最後に、スライムの呼び方だがスイカ大までのをスライム、人間大まで大きくなるとビッグスライムとなり討伐対象指定となり、家ほど大きくなるとグランスライムと呼ばれるようになり討伐隊が編成される。


 つらつらと書き連ねたが、スライムだって魔物だということを忘れず油断せず挑め。

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