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朝から幼なじみの様子が可怪しいんだが。

掲載日:2026/06/08




 隣の席にいる幼なじみの様子が可怪しい。

 ずっとこっちを見てニヤニヤしている。

 真っ黒な長い髪を耳に掛け、ぷるんとした淡桃色の唇で弧を描いている。


「お前さ、今朝からずっとニヤニヤしてこっち見てきてるけどなんなの?」


 授業が終わってもこちらを見続けてくる玲奈。我慢ならずにそう聞くと「ぶぇっつにぃぃぃぃ。何でもないよぉぉ?」とニヤニヤ。

 なんなんだよマジでウザいな。


「その返事、高三としてどうかと思うぞ?」

「…………キンタローのそういうとこ、普通に嫌われるからね?」

「お前までキンタロー呼ぶなや」


 金田 朗、かねだ ろう。

 だからキンタロー。

 いや別にそれは面白いし別にいいんだが、玲奈から言われると何となくムカつく。


「あっ、先生来た。授業始まるよ」

「ったく。なんなんだよ…………」


 この日、玲奈はずっと俺を見つめてニヤニヤしていた。

 同じ帰り道、同じマンション、お互いの家のドアを開けるまで。


 三年になってお互い卒部をしてから、なぜか一緒に帰るようになった。

 同じ学校同じクラス、隣の席。

 全く、何て偶然なんだ。


 クラスの奴らには美少女なんて言われているが、毎朝叩き起こされている俺としては、恐怖の対象でしかない。

 確かに寝起きが悪く、小学校のときから起こしてもらえているのはありがたいんだが……俺を起こす最終手段が人としてどうかと思う。

 鼻を摘んで口を塞いでくるんだから。

 普通に死ぬぞ?

 今朝も、本気で死ぬかと思って大騒動だった。久しぶりに遅刻するかと思った。


「あっ、朗!」

「なんだよ?」


 玲奈が口角を上げて、今日一番の笑顔を見せた。


「ズボンのチャック、開いてるよ!」

「っ…………はぁぁぁぁ!? あっ、おい待て、いつからだよ!」


 慌ててチャックを閉めていたら、玲奈がケタケタ笑いながら家に入り、ドアを閉めてしまった。

 アイツ、それで今日ずっとニヤニヤしてたのかよ!



 ◇◇◇



 毎朝の日課である朗を叩き起こす仕事。

 勉強は出来る。スポーツも出来る。ノリはいい。顔は普通。

 なんというか、クラスで浮きも沈みもせずに、皆に『キンタロー』と呼ばれるくらいには愛されキャラ。


「玲奈ちゃん、おはよう!」

「おはよー、朗ママ」


 母は看護師、父は医者。お互いに夜勤が多かったりで家に誰もいないことが昔から当たり前にあった。そんなときは夜に叔母がいてくれるけど、朝早くに仕事に行ってしまうので、朝食はいつも一人きり。

 小学生のとき、隣に引っ越してきた朗。私が一人で食べていると知って、一緒に朝ごはんを食べようよ! と誘ってくれてから、この関係が始まった。


 一人の日は朗の家で朝ごはんを食べる。

 そのお礼としてなかなか起きて来ない朗を私が起こす。


「朗、起こしてくるねー」

「お願ーい。さっきも起こしたんだけど、無反応だっのよねぇ」


 ふむふむ。まだまだ深い眠りにいるのか。

 そんなことを考えながら、朗の部屋に入ると、ベッドで大の字になってお腹丸出しで寝ていた。

 毛布はベッドの下に落ちている。


「全くもう…………は?」


 毛布を拾って畳んでいたら、こんもりと膨らんでいるアレに気付いてしまった。

 いや、ズボンの中には収まっているが、なんというか、明らかに『オハヨー!!!!!』と主張激しくアレがアレしていた。

 そういう年齢なのだから、そりゃそうなわけでとか、経験もなけりゃ彼氏もいたことがないのに、平静を装おうとしていた。


「ん…………れい……な」

「ひぎぇっ!? 見てない見てない見てないよ!」


 慌てて叫んだが、無反応。

 ――――あ、寝言ね。


「……ハァ…………玲奈好きだ……なぁ、キモチイイか?」


 ――――何が!

 え! まって、何が!?

 ねぇ、何が!? 


 色々な色々で、朗を起こすのが遅くなり、遅刻するかと思った。

 朗ママには謝られたが、後ろめたい。いや、そもそも悪いのは朗だし。

 どんな夢見てたのよ!

 あれっ? ていうか、朗ってそんな夢見るくらいには私が好きなの!? ってか、え? 好きなのぉぉぉぉ!?


 今日一日ニヤニヤしっぱなしで、朗に不審がられた。

 視線がどうしてか、下半身に向かってしまう。

 いや別に……気に…………ならなくはないけども。いや別にそっちに興味はなく……はないけど。

 それより、朗って私のことあんな夢見るくらい好きだったんだ?

 いや、どんな夢かは知らないけど。


「あっ、朗!」

「なんだよ」

「ズボンのチャック、開いてるよ!」

「っ…………はぁぁぁぁ!?」


 うんうん。朗くんは私がいないと、ほんと色々駄目な子だなぁ。


 ちなみに、チャックは帰る直前にトイレ行った後から。

 開いてるなーとは思っていたものの、朝からずっと気になって朗の股間を見つめていたとか知られたくないから、今気付いたふりをした。

 



 ―― おしまい♡ ――




はいどうも、お久しぶりの謎ラブコメ(*ノω・*)テヘ

一時間ほど、ジャンル間違ってました。ポンコツです。はい。すみません……。



ほのぼの(?)無意識系両思いっていいよね!←

ブクマ、評価、感想なんてもらえちゃったりしたら、作者が大喜びして小躍りします!ヽ(=´▽`=)ノ

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― 新着の感想 ―
可愛い、面白い! でも、ちょっとえっちぃ! 寝言を自覚してない朗くんは、いつ告白させられるんでしょう。 ニヤニヤが止まりません(*ˊ艸ˋ)
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