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英雄への旅だちとケージの中の猫

街道で休憩、俺はセリナの膝の上。


式典から数日、俺たちは旅立った。

ハルカスとの感動の別れ?そんなのないよ?


庭で蝶々と格闘してたら、ケージに吸い込まれたからな!


股間がひゅっとしたよ。



ともあれ、旅が始まった。

メイリー、セリナ、バルガス、酒臭い僧侶。


あれ、この僧侶あの列にいた?


あと従者が数名ついてきてるな。途中までで帰るらしい。

辺境の街が水害被害で困っているらしく、支援物資の護衛役が俺たちだ。

メイリーとセリナは従者の先を歩き斥候を務めている。

バルガスは真ん中で偉そうにしている。

僧侶は最後尾で見張りをしてるんだか、酔っ払って歩いてるのかわからない。


そして今は休憩中。

「しばらく、広い道だから自分で歩く?」

セリナに促されるが、答えはノーだ。

首元でぬくぬくしてるのが丁度いいです。


サボってませんよ。何もしないをしてるんです。


あくびをしてたら、メイリーに睨まれた。

初めは嫌われてるかと思ったが、どうやらそうではないらしい。


この数日、俺を捕まえたいのか、たまに手が伸びてくることもあった。

甲冑が冷たそうなので逃げたら、少し悲しそうな顔をしてたな。

「セリナ、そのなんだ、猫が重ければ…いやなんでもない」

言い淀んでいたが、触りたいのだろうな。


ふむ。

甲冑脱いだら考えときます。それ冷たそうなんで。





他の列も旅立ったようで、戻ってきたら英雄候補が英雄になれるかの試験があるようだ。


合格すれば英雄。落ちれば、ただの候補。

分かりやすい話だ。


つくづく、英雄は作るものじゃない気がする。

だが、この国は肩書きをつけたがる。




城塞都市カルディアナを離れて数日、少し栄えた街に到着。


ここもカルディアナの直轄領らしい。ここを拠点に他国へ行くのだろう。


従者たちも積み荷を下ろし引き上げていく。

水害被害は畑のほうなのか、街は穏やかだ。




女騎士メイリートンプソンがこの隊のリーダーということだが、


その肩書きなど気にも留めず、

バルガスは早速、好き放題していた。


「しけた街だが、酒くらいはあるんだろうな」


あいつ、なんの断りもなしに、酒場へ直行したな。



「お酒無くなったんで僕も行きますね」


僧侶は断ってから酒場に向かった。


うん。大丈夫かここの英雄候補。




程なく、辺境伯の館へ向かう。

あの二人は、まぁいない方がいい。



ちなみに俺はケージに入れられている。


ケージの中で、嫌な感覚が消えなかった。

水の匂いじゃない。

でも、何かが濁っている。


……これ、厄介なやつだ。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

前置きが長かったせいでようやく旅たちました。

いわば本編スタートでございます。


ブクマなどいただけたら、作者が大変喜びます。ぜひポチッと。


では、また。

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